打球飛ばずバットが…マエケンに昨季35発男脱帽「次は手に接着剤を…」

[ 2016年3月17日 05:30 ]

<ホワイトソックス・ドジャース>3回2/3を4安打2失点の前田(AP)

オープン戦 ドジャース6―8ホワイトソックス

(3月15日 グレンデール)
 ドジャースの前田健太投手(27)が15日(日本時間16日)、オープン戦3度目の登板となるホワイトソックス戦に先発し、3回2/3を4安打2失点だった。失策絡みで初失点を喫したが、自責点は0。昨年、球宴のホームランダービーを制したトッド・フレージャー内野手(30)に対しては、空振り三振を奪うなど2打席とも完璧に封じた。次戦は中5日で21日(同22日)のマリナーズ戦に決まり、岩隈久志投手(34)と投げ合う可能性が高くなった。

 外角へ消えるスライダーにバットは空を斬り、そして宙を舞った。3回2死二塁。タイミングを外されたフレージャーのバットは手を離れ、三塁ベースコーチの頭上も越えていった。「あの球はオープン戦の中で一番良かった」と前田が手応えをつかんだ一球だった。

 昨季35本塁打で、ホームランダービーも制したメジャー屈指の右の長距離砲。レッズからこのオフに加入した4番は「手を離れた瞬間は速球に見え、スイングする時にやられたと思った。彼はメジャーで成功する。次は手にしっかり接着剤をつけておくよ」。初回も遊飛に抑えられた前田の決め球に脱帽した。

 4回に味方の失策から失点し、さらに救援した投手も適時打を許して2失点が記録されたが、自責0でいまだ防御率は0・00。「真っすぐが3試合で一番良かった。状態が上がってきた」と収穫は多かった。スライダーが生きたのも直球が走ったからこそ。最速は92マイル(約148キロ)ながら直球だけで空振りを5度奪い、5度ファウルを打たせた。何度も振り遅れたジャクソンは「ボールを隠すのがうまい。やっと見えたと思ったら、もうそこまで来ていて遅れてしまう」と舌を巻いた。

 ベストメンバーのホ軍は1~6番まで昨季2桁本塁打打者が並び、計133本塁打した超重量打線。前田は「主力を自分の投球で抑えられた」と納得の表情を浮かべた。

 次戦は中5日と休みを1日多く取り、21日(日本時間22日)のマリナーズ戦に決まった。順当なら岩隈と投げ合う。前田は初めて打席にも立つ予定。代理人事務所が同じで合同自主トレを行うなど仲が良く、日本ではオープン戦、公式戦含め投げ合ったことはない。マウンドで、そして打席で。大先輩の胸を借り、ギアをさらに上げていく。(グレンデール・奥田 秀樹通信員)

 ▼ドジャース、デーブ・ロバーツ監督 両サイドをうまく使って、またいい投球をしてくれた。

 ▼ホワイトソックス・ロリンズ(07年ナ・リーグMVPで通算2422安打)4種類の球を使い内外角でストライクが取れる。球種が8、9種類あるようなもの。

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