貧打吹っ飛んだ!捕手・阿部 復帰初打席弾 10点快勝「いい感触」

[ 2016年3月17日 07:15 ]

<ヤ・巨>2回1死二塁、阿部が右越えに2ランを放つ

オープン戦 巨人10-8ヤクルト

(3月16日 神宮)
 開幕マスクへ、「一発回答」だ。右肩痛でリハビリを続けてきた巨人の阿部慎之助捕手(36)が16日、ヤクルトとのオープン戦で「6番・捕手」で先発出場。復帰戦初打席となった2回にオープン戦1号となる右越え2ランを放った。1軍では、昨年5月31日の楽天戦(コボスタ宮城)以来290日ぶりとなる先発マスクもかぶった。3月25日のヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)。「捕手・阿部」が攻守でチームを引っ張る。

 マスクをかぶった心地よさが、バットに伝わった。2回1死二塁。阿部は新垣のスライダーを捉えた。「いい感触だったけど詰まり気味。ファウルかと思った」。しかし、振り切った分、飛距離は十分。打球は右翼席で弾んだ。復帰初打席で圧倒的な存在感を示した。

 「キャッチャーとして出る、あの景色が良かった。“また始まるんだな”というのを感じた」。初回裏、本塁ベースの後ろにどっしりと腰を下ろすと、緊張感と高揚感に包まれた。先発の内海は絶不調で4回途中8失点で降板。「防げた点もあった。反省している」。阿部は女房役として悔やんだ。それでも予定通り、5回までマスクをかぶり「慌ただしい方がいい。余計なことを考えなくていい」と振り返った。

 捕手復帰に狂いが生じたのは、沖縄2次キャンプの2月21日。右肩に強烈な痛みを感じた。翌22日から打撃を除いて別メニュー調整となった。「自分に腹が立つ。俺のことは心配しなくていいから」。ふがいなさからいらだちを隠せなかった。普段はサービス精神旺盛に取材に応じる男が、キャッチボール中のカメラ撮影までも嫌がった。

 球団関係者に「投げるのが怖い」と漏らしたほどの痛み。患部に注射も打った。高橋監督が現役時代に取り入れていたPNF(固有受容性神経筋促通法)にも挑戦した。「きつい。Tシャツが汗でビッショリになるよ」。苦しかったが、効果はあった。肩関節の可動域が広がったのだ。この日の試合後も行った。

 順調ならエース菅野が先発した2月28日のヤクルトとのオープン戦(東京ドーム)で捕手として復帰する予定だった。2週間以上遅れたが「何の不安もなく5回まで守れた。ゲームに出ることで思い出す感覚もある」と手応えをつかんだ。オープン戦は残り4試合。それでも長年慣れ親しんだ「定位置」だけに順応するすべは熟知している。

 阿部が1軍不在の間、新たに高木京の野球賭博関与、さらに円陣での「声出し」による自チームの勝敗に絡んだ金銭授受問題も明るみに出た。一方で、オープン戦では貧打が続いていた。それが、大黒柱の復帰で今オープン戦最多タイの10得点。阿部は「どうかなと思ったけど、みんな声を出して元気ハツラツとやっていた」と安どした。高橋監督も「捕手・阿部」の姿に「やっぱり(存在感が)違いますね。見慣れた風景という感じ」と胸をなで下ろした。

 「抑えたらうれしいし、打たれたら悔しい」。捕手として喜怒哀楽を前面に出す。阿部にはそんな姿が一番似合う。 (川手 達矢)

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