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権田修一「“負けたら終わり”より上に行く楽しみの方が大きい」 8強決めて「祝日になったらいい」

[ 2022年12月5日 01:51 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会

練習する権田(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 日本代表GK権田修一(33=清水)が4日、ドーハ市内で行われた練習後に取材に応じた。

 ――いよいよ試合。
 「僕自身W杯も初めて。初戦の前と変わらない。この前の試合もベスト32から16に行く試合で、W杯の試合で重いも軽いもない。全部僕らにとっては重い試合。もう一個上に行くための試合だなという感じ」

 ――前回大会ベルギー戦の壁を超える戦い。そこへ挑める。
 「そもそも勝ち上がるのは簡単じゃない中で2大会連続でベスト16に来たのは日本の歴史上ない。勝ったら目標達成じゃなくてベスト4だ、決勝だとなってくるわけで。札幌で試合がキャンセルになったときから森保さんが言っているのはロシアの悔しさをカタールで晴らすということを立ち上げ当初から言っていて、ぼくらの目標を達成できる挑戦権を得られた。

 挑戦権は得られたが勝つのは簡単じゃない。前回準優勝していて、したたかに戦ってくる。ずる賢いチーム。ベルギーだったらとか、そういう可能性がある中で、どちらかと言ったら一番難しい相手になるとトーナメントに上がったとき思った。

 グループステージの組み合わせが決まったとき突破することを信じてやってきたし、これを信じて突破するしかない。そうすることで新しい景色がテーマだがベスト8以上に行けたときに、日本サッカーがスピードを上げて発展できると思う。

 まずは楽しみだし、負けたら終わりという感覚よりも勝って上に行く楽しみの方が大きい」

 ――ベスト16の壁はあんまり良くないと思っている?
 「負けたら終わりというのは個人的にあまり好きじゃない。W杯は負けたら終わりだし、ぼくらはアジア予選でも負けたら厳しいよねという状況でやっていて、ぼくらは誰も厳しいと思っていない。勝つんだ勝つんだというところに集中してやった結果がW杯につながっている。

 負けたら終わりと考えるより、勝ったらと考えた方がポジティブ。ぼくは失点したら終わりじゃなく、失点しても時間はある。ものの言い方一つで人は前を向ける。今まで生きてきて、いろんなところで言い回しを変えるだけで感じてきた。

 長友選手なんか今大会ポジティブに良い影響を与えている。テーブル一緒なんですけど、あのテーブルはポジティブしかない。ポジティブで前向きな人の方が、日本で見ている人に勇気を与えられると思う。

 別に無理にポジティブにというんじゃなくて、そういう感覚でやってきてサッカーを続けている」

 ――言霊という言葉がある。
 「言ったことが現実になるなら何でも言うけど、たぶん全員が全員突破できると思っていたわけじゃないと思う。なんで突破できたかといったら、選手がみんな信じていたから。言うと言うことの裏に信じる力があるのが絶対条件。大丈夫だよと軽い気持ちで言うのは大丈夫じゃない。心からそういう気持ちをもって戦ったのが突破できた。気持ちというのは欠かせない要素。結局はそこだなと」

 ――キャリアを振り返るといろんな場面もあるが、この舞台で勝つ意味は?
 「どの選手もサッカーキャリアで波のあるのは当然だが、ここで33歳という年齢でW杯に立つのは当初のイメージでは遅かったが、これが僕の人生。とにかく結果を残して未来を開きたい」

 ――4年前とか、W杯でプレーすること想像できたか。
 「それを目標にしてきた。ロシアで出られなかったときトスに残らずポルトガルに渡った。そのイメージをもってチャレンジした」

 ――失点した後の崩れなさ。メンタルの技術などあるのか?
 「Vゴールがあれば終わっちゃうけど、90分で失点してもロスタイムがある。そこで下を向いてもう1失点したほうが勝てる確率を下げてしまう。勝ちたいので、そこはもしそこで勝負を諦めて良いのであればへこんで良いが、スラムダンクの安西先生じゃないけど諦めたら終わりなので、最後まで戦いきる。そこが日本代表が前半負けていても盛り返すというのは勝ちたいからだし、僕自身もたくさん失点してきたけど、どの状況であれ、そこで諦めるのはお客さんや支えてくれる人に失礼。勝ちたいと思っていたらへこんでいる暇はない」

 ――明日は日本サッカー界にとってどんな1日になる?
 「祝日になったらいいですね。勝ったことで日本の歴史が変わった日ということでサッカーの日と…祝日にはなりませんね。世界的に見たらたかがベスト8だけど、今までいろんな選手たちが、どんどんアップデートしていって今がある。そこは僕らだけの力じゃないし、歴史が変わる瞬間は、理想は祝日にというのはみなさんが全力で言ってください」。

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2022年12月5日のニュース