在阪民放アナのリレーコラム「アナランド」

テレビ大阪・坂本七菜アナ 的確な情報でブラインドランナー導く

[ 2019年10月27日 05:30 ]

紀ノ川河川敷沿いで視覚障がいを持つ大前雅司さん(左)を伴走するテレビ大阪の坂本七菜アナ
Photo By 提供写真

 ブラインドランナー(視覚障がいを持つ競技走者)を誘導する「伴走者」。一緒に走って走る方向をはじめ、安全確保のための情報も伝える大切な役割だ。2人をつなぐのは「キズナ」という名前がついた長さ30センチほどのヒモだけ。これで輪を作り互いに両端を握る。たとえ競技者が優勝しても、表彰はされない。テレビ大阪・坂本七菜アナウンサー(25)は〝縁の下の力持ち〟に昨年から挑戦している。

 「小さな段差や突然の音など、私たちが何気なく感じているモノが、障がい者の方たちには大きなストレスになる。だから伴走者はずっと、しゃべりっぱなしです。状況を的確に伝える難しさを感じています。アナウンサーなんで〝分かりやすい〟と言ってもらえば、ホントにうれしい」

 和歌山でアナウンサー時代に「紀の国ブラインドランナーズ」を取材し、伴走者が少ない実情を知ったのがきっかけ。誘われて練習にも参加するようになり、11月4日に大阪・長居公園で開催される「第22回全国視覚障がい者駅伝大会」で〝デビュー〟予定。アンカーについて6・4キロを伴走する。

 身体を動かすことが好きで中学、高校時代はバレー部に所属。高校サッカー部の監督を務める父の影響でフットサルも経験した。防災士の資格を取得するなど奉仕精神はおう盛だ。新天地のテレビ大阪では夕方ニュースのキャスター、旅番組のパートナーに全力疾走する。「将来はフルマラソンの伴走ができれば」。夢は大きい。(古野 公喜)

 ◇坂本 七菜(さかもと・なな)1994年1月4日、和歌山県海南市出身の25歳。向陽高、関西学院大を経て16年、NHK和歌山放送局へ。19年4月にテレビ大阪へ移籍。「やさしいニュース」のキャスター、「おとな旅あるき旅」で三田村邦彦のパートナーも務める。

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