是枝監督「怪物」坂元裕二氏の脚本絶賛「何が起きているか分からないのに読むのが止められない」

[ 2023年5月29日 20:37 ]

会見に臨んだ是枝裕和監督(左)と脚本を担当した坂元裕二氏(右)=撮影・郡司 修
Photo By スポニチ

 第76回カンヌ国際映画祭で「怪物」で脚本賞を受賞した坂元裕二氏(56)と、同作品で公式部門とは別の独立した審査員によって選出され全部門の中からLGBTQを扱った作品に贈られる「クィア・パルム賞」を受賞した是枝裕和監督(60)の凱旋記者会見が29日、羽田空港内の「TIAT SKY HALL」で行われた。

 会見で是枝監督は坂元氏の脚本の優れているところについて「プロットいただいた時から一体何が起きているか分からない。分からないのに読むのが止められない。どこまで行っても分からない映画が半分くらい行ってもまだ分からないということが、自分の中にはない物語の描かれ方でしたし、読み進めていくうちに読んでいた自分が作品に批評されていく。クラクションを鳴らす側に否応なくなってしまう。ある種の居心地の悪さ、いい意味でですよ。それが最後まで持続するというのがエンターテイメントとして本当に面白かったですね。それが僕がチャレンジしがいのある脚本だなと思ったことの一つです」と語った。

 今年のカンヌではコンペティション部門でビム・ベンダース監督(77)の日独合作「PERFECT DAYS」(原題)に主演した役所広司(67)が最優秀男優賞を受賞。「怪物」脚本賞の坂元氏と併せ、カンヌのコンペで日本映画が主要賞をダブル受賞するのは初の快挙となった。

 日本映画の脚本賞は、21年「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督と大江崇允氏以来2年ぶり。また、是枝監督が自身以外の脚本で監督するのは劇映画デビュー作「幻の光」以来28年ぶり。「怪物」は、小学校でのささいなケンカが、社会やメディアを巻き込んだ大事件に発展していく様子を3つの異なる視点から描かれている。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2023年5月29日のニュース