坂元裕二氏「怪物」カンヌ脚本賞「夢かと思った」、役所広司男優賞と初の日本作品主要賞W受賞

[ 2023年5月29日 05:00 ]

17日、カンヌ国際映画祭で「怪物」の公式上映後、客席に手を振る是枝裕和監督(上)と坂元裕二氏。坂元氏は脚本賞を受賞
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 第76回カンヌ国際映画祭の授賞式が27日(日本時間28日)、メイン会場のシアター・リュミエールで行われ、コンペティション部門でビム・ベンダース監督(77)の日独合作「PERFECT DAYS」(原題)に主演した役所広司(67)が最優秀男優賞を受賞した。日本人では04年「誰も知らない」の柳楽優弥(33)以来19年ぶり。是枝裕和監督(60)の「怪物」は坂元裕二氏(56)が脚本賞に輝き、カンヌのコンペで日本映画が主要賞をダブル受賞する初の快挙となった。

 日本映画の脚本賞は、21年「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督と大江崇允氏以来2年ぶり。坂元氏が帰国していたため是枝監督が授賞式に出席し「作品に関わっていただいたスタッフ、キャストの皆さんの力でこの賞を頂けたと思っています」と喜びをかみしめた。

 終了後、坂元氏にメールで報告。日本は深夜だったため寝ていたようだが、しばらくして「夢かと思った。たった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」と返信があったという。

 是枝監督が、自身以外の脚本で監督するのは劇映画デビュー作「幻の光」以来、28年ぶり。小学校でのささいなけんかが、社会やメディアを巻き込んだ大事件に発展していく様子を3つの異なる視点から描いた。受賞者会見でも「この作品にとって、本当にふさわしい評価だなと考えています」と語っていた。

 坂元氏は29日、帰国する是枝監督とともに都内で受賞会見を行う。

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