「怪物」カンヌ脚本賞の坂元裕二氏と是枝監督が凱旋会見 盾を手渡した是枝監督「坂元さんに渡せてホッと」

[ 2023年5月29日 20:03 ]

是枝裕和監督から脚本賞のトロフィーを手渡される坂元裕二氏(右)=撮影・郡司 修
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 第76回カンヌ国際映画祭で「怪物」で脚本賞を受賞した坂元裕二氏(56)と、同作品で公式部門とは別の独立した審査員によって選出され全部門の中からLGBTQを扱った作品に贈られる「クィア・パルム賞」を受賞した是枝裕和監督(60)の凱旋記者会見が29日、羽田空港内の「TIAT SKY HALL」で行われた。

 始めにフォトセッションが行われ笑顔を見せた。その後に是枝監督から坂元氏のトロフィー(盾)が手渡されるサプライズ。大きな拍手が沸いた。

 先に帰国していた坂元氏と会見場で再会し笑顔を見せた是枝監督は「2時間くらい前に羽田に着いたばかり。映画にとって本当に素晴らしい評価をいただいた。無事に脚本賞の盾を僕が運んだわけではありませんが、坂元さんに渡せてホッとしています」と笑顔で語った。盾を手にした坂元氏は「こういう場に出るのは初めてで、とても緊張していますが、よろしくお願いいたします」と照れ笑いを浮かべた。

 そしてトロフィーの重みや実感について問われると「実感は正直あまりありません。受賞を初めて聞いた時、寝ていましたから。第一報を聞いた瞬間は夢が起きていると思いました。その後、まだ続いているようで、今も夢の中にいるようなそんな思いと今この(トロフィーの)重みに大きな責任感を感じますので、私自身、手にも背中にも乗っかった大きな責任だと感じています」と語った。

 受賞を受け「たくさんの人からおめでとうと言われたのがうれしかった。一番うれしかったのは、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督から昨日『脚本賞受賞おめでとうございます』とメッセージをいただきまして、タクシーの中で涙が出ました」とジョン・キャメロン・ミッチェル監督との秘話も明かした。

 今年のカンヌではコンペティション部門でビム・ベンダース監督(77)の日独合作「PERFECT DAYS」(原題)に主演した役所広司(67)が最優秀男優賞を受賞。「怪物」脚本賞の坂元氏と併せ、カンヌのコンペで日本映画が主要賞をダブル受賞するのは初の快挙となった。

 日本映画の脚本賞は、21年「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督と大江崇允氏以来2年ぶり。また、是枝監督が自身以外の脚本で監督するのは劇映画デビュー作「幻の光」以来28年ぶり。「怪物」は、小学校でのささいなケンカが、社会やメディアを巻き込んだ大事件に発展していく様子を3つの異なる視点から描かれている。

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