藤井聡太叡王「まさか本当の車両でやるとは」3連覇から一夜、対局開催地の岩手で三陸鉄道の車両運転体験

[ 2023年5月29日 11:27 ]

三陸鉄道の宮古駅で一日駅長を務める藤井聡太叡王(右)と小山怜央四段
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 28日に将棋の第8期叡王戦第4局で菅井竜也八段(31)を破り、3勝1敗で3連覇を達成した藤井聡太叡王(20)=王将、竜王、王位、棋王、棋聖含む6冠=が一夜明けた29日、対局開催地の岩手県宮古市で三陸鉄道を見学し、車両運転体験などを行った。

 2度にわたる千日手指し直し局の末、タイトルを防衛した藤井は終始目尻が下がり放し、口元も緩み放しだった。対局場の浄土ヶ浜パークホテルから車で10分ほどの三陸鉄道宮古駅に隣接する車両基地で制服に着替え、ヘルメットを着用して車両整備の詳細を熱心に観察。その後、実際の車両に乗り込み、約50メートルを往復する運転体験に挑んだ。

 「まさか本当の車両でやるとは思っていませんでした。気動車の運転免許を持ってないのにいいのかなと(笑い)」

 幼少時から鉄道に興味を持ち、青春18切符でローカル線の旅を満喫したこともある。現在も移動は鉄道が主体で、対局地までは最速コースをあえて避け、地元の名物列車を選択することもあり、「乗り鉄」ぶりはつとに有名だ。自宅では運転のシミュレーションゲームにはまっていることも公言。棋士になっていなければ「電車の運転手になりたかった」とかつては明かしている。この日は夢だった「リアル運転」が実現し、興奮のオーラを全身から漂わせた。

 その後は宮古駅ホームで一日駅長を委嘱され、釜石行きの車両に向け「出発進行」の定番ポーズもびしっと決めた。「制服を用意していただいたのですが、ここまで本格的だと思っていなかったのですごくうれしい。緊張していましたが、すごく楽しい経験ができました」と、終始にこやかだった。

 藤井叡王が鉄道制服のコスプレに挑んだのは今回が2度目だ。「初体験」は昨年1月11日。静岡県掛川市で行われた第71期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第1局で渡辺明王将(当時)に先勝した翌12日朝に行われた「勝者の記念写真」で、天竜浜名湖鉄道掛川駅を訪問。制帽、制服を身につけ、笑顔満開でポーズをとった。「(制服を着たのは)初めてです。いつもは見る側なので」と、この時も興奮ぶりを隠せなかった。

 「初代コスプレ」の舞台となった天竜浜名湖鉄道と三陸鉄道は19年に交流協定を締結している。この日のイベントは藤井の希望で実現したもの。「天浜」と「三鉄」は不思議な縁でつながれている。

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