「かりそめの恋」「東京悲歌」歌手の三條町子さん死去 97歳

[ 2022年8月31日 14:41 ]

 三條町子さん
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 「かりそめの恋」「東京悲歌(とうきょうえれじー)」などがヒットした歌手の三條町子(さんじょう・まちこ、本名藤田信子=ふじた・のぶこ)さんが8月30日午後5時5分、老衰のため神奈川県の自宅で死去した。97歳。青森県出身。葬儀告別式は9月3日12時よりセレス千代田相模大野で家族葬を執り行う。喪主は長女の藤田敦子さん。

 1948年、旧姓の本名、宮野信子で歌った「泪のブルース」でデビュー。翌年、三條町子の芸名で歌った「かりそめの恋」を発売。アンニュイな歌唱法が敗戦後の巷(ちまた)に流れ、流行語にもなった「夜の銀座は七色ネオン…」の歌詞が、復興する日本を表現しヒットした。

 51年には映画主題歌にもなった「東京悲歌」を発表、第2回、4回のNHK紅白歌合戦に出場した。54年の人気絶頂期にレコード会社のディレクターと結婚し、翌年出産のために歌手を引退。昭和40年代に入ってからの“なつメロブーム”で、三条町子の名で番組などに復活。変わらぬ歌声で後年まで「思い出のメロディー」「歌謡コンサート」(NHK)などに出演、最後のテレビ出演は2016年正月放送の「第42回日本歌手協会歌謡祭」だった。

 日本歌手協会によると、同協会所属の歌手で最高齢だった。

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2022年8月31日のニュース