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藤井叡王 初防衛 「最後まで苦しい局面」もタイトル戦13連勝で羽生九段に並んだ

[ 2022年5月25日 05:00 ]

第7期叡王戦第3局 ( 2022年5月24日    三井ガーデンホテル柏の葉 )

防衛した藤井叡王(撮影・西海 健太郎)
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 将棋の第7期叡王戦5番勝負第3局は24日、千葉県柏市の三井ガーデンホテル内・柏の葉カンファレンスセンターで行われ、藤井聡太叡王(19)=王将、竜王、王位、棋聖含む5冠=が挑戦者・出口若武六段(27)を109手で下し、3勝0敗で初防衛に成功した。この日の勝利でタイトル戦の連勝は13に到達。羽生善治九段の持つ歴代2位の記録に並んだ。

 両者1分将棋の修羅場で、王者は生みの苦しみをたっぷりと味わっていた。紙一重の激戦を制した藤井は「最後まで苦しい局面が続いた。(防衛の)実感は全くありません」と息をついた。

 歩くAIと称される藤井でもパニックになると急に人間くさくなる。95手目に打ち込んだ香は心の乱れが手先に表れ、駒の向きは微妙に傾いていた。「ちょっと香車じゃ厳しそうと思ったが、他に手が分からなかったので…」。表情からは血の気が失われ、瀬戸際に追い込まれる大ピンチ。最後の最後で出口が犯した致命的なミスがなければ、タイトル戦で連ねた白星は12で途絶えていたかもしれない。

 それでもフィニッシュは鮮やかな即詰みだった。叡王戦では過去に防衛がないというジンクスも吹き飛ばした。

 対局前日の23日は出口とともに東大柏キャンパスを訪問し、自動運転のバスにも乗車した。喜々として関係者の説明に耳を傾けた。「最先端の研究の現場を見学することができて楽しい時間でした。自動運転バスも自動運転と言われてなければ分からない感じで。使われている技術の解説をしていただき、より興味が出てきました」。将棋ではトップを走り続ける藤井が感じた未知の世界。異分野の知識に触れ、脳内が活性化されたのも勝利の一因かもしれない。

 難産の末、達成したタイトル戦13連勝は羽生に並ぶ快記録。藤井のタイトル戦出場は8度目で、これまでいずれのシリーズも制している。それでも藤井は相変わらず謙虚にこう語る。「今日も負けの局面があった。そのこと(連勝)は気にせずに。また来月から棋聖戦と王位戦が始まる。それに向けて準備したい」
 歴代1位は大山康晴15世名人(故人)の17連勝。本人は気にしなくとも、ファンには気になる記録だ。順調に勝利を重ねていけば、7月半ばにも1位となる流れだが、6月3日開幕の棋聖戦では実力者・永瀬拓矢王座(29)が相手だ。タイトル戦での際どい戦いは今後も続く。(我満 晴朗)

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