ウクライナ出身の政治学者グレンコ氏 橋下氏に反論「ゼレンスキー大統領の支持率は国民の90%なので」

[ 2022年3月7日 12:06 ]

フジテレビ社屋
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 ウクライナ出身の政治学者、グレンコ・アンドリー氏が7日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。ロシアのウクライナへの侵攻を巡り、3日に激論を交わした元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏と再び討論した。

 番組では、ロシアによる激しい空爆を阻止するため、ウクライナはNATOに飛行禁止区域を設けるよう求めていることを取り上げた。ウクライナの要求の通りに設置すればロシアと直接衝突する可能性があり、NATOは否定的で、プーチン大統領は「設定する動きがもしあれば武力紛争への参加とみなす」という言い方をしている。

 この話題の中で、MCの谷原章介に「プーチン大統領、NATOの話し合いに応じると思いますか?」と聞かれたアンドリー氏は「それはもちろん応じるわけがないんですね。結局、プーチンの目的はNATOとの妥協だったり、ウクライナとの妥協だったりではなくてウクライナの完全支配である以上、完全降伏以外の解決をプーチンが認めないわけなんですね。認めない以上、少なくとも今の時点で何らかの妥協とか話し合いは、そういう意味でも不可能なんですね」と指摘。そして「どうすればロシアが交渉のテーブルに座る、座らせるには、このままロシアから見る軍事行動の継続はいい結果に終わらない、ロシアの経済を早いところ崩壊するということが分かれば、ロシアはどこかでこのまま続行してもロシアが持たないということになって初めて“じゃあテーブルに座って何らかの妥協案にたどり着こう”ということになるので、現時点でロシアの意向を踏まえた上では無理な話ですね」と自身の見解を述べた。

 これに橋下氏は「いや、グレンコさんね、グレンコさんのお気持ちは分かるけれども、やっぱりそれはね、今のあの戦地の状況を見て下さいよ。本当にウクライナの皆さん、一生懸命に頑張ってますよ、戦闘員の方は。でもそれをわれわれ、この日本の方から“もっと戦え、もっと戦え”って言うだけではなく、グレンコさんはロシアは話し合いに応じないって言いますけれども、でもそれはやってみなければ分からないわけで、それはNATOの方もウクライナの方だけに譲歩を迫るんじゃなくて、NATOの方もこれだけの政治的な妥結ってものの覚悟があるよってことをまず仕掛けないとダメですよ。それはあきらめちゃいけないと思う」と自身の考えを話した。

 ここで谷原が「アンドリーさん、ウクライナの男性18歳~60歳は強制的に全員が志願兵にされているわけではないんですよね」と聞くと、アンドリー氏は「もちろん、あくまで国外脱出は今は禁止されているだけで戦地で戦っているのは志願兵のみで、一般男性は国は出られないんだけど、国内移動は自由なので、戦地から比較的安全な所への避難は自由という状況なんですね」と説明。そして、橋下氏の意見に「あと視聴者が勘違いするといけないので言っておきますけど、外交的な努力は常に続けられています。NATOは外交努力をしないというのは間違いで、しようとするんだけどロシアは一切応じないんですね。プーチンの最近の発言から分かるように無理なんですね。やってみないと分からないじゃなくて、やってみているんですね。やってみてる中で無理なので、現時点では残念ながらプーチンを交渉のテーブルに座らせるすべはないので、今のところどれくらいになるか分からないんだけど、とりあえず圧力をかけ続けるしかないんですね」と話した。

 これに橋下氏は「いや、NATOは譲歩を示さないからプーチンが乗らないんですよ。NATOも1ミリたりとも譲歩をやってないんです」と反論すると、アンドリー氏は「譲歩じゃなく全面降伏を求めているんです。それは譲歩とかじゃなくて。譲歩というのは妥協点なんです。今、プーチンが求めているのは譲歩じゃなくて100%自分の要求を飲んでNATOはゼロまで引き下げることだけなので、これは譲歩ではありません」と指摘。橋下氏の「いや、NATOの防衛ラインというかロシアとの境界ラインについてNATOも譲ってないんですよ。それから僕は国外退避のところは、グレンコさんが禁止はしているけれども戦闘員に強制はしてないって言うけれども、これもよくないと思いますよ。国外に退避したいって人は退避を認めるっていうのは、戦地のあの状況なんですから。僕はウクライナの戦争指導者には、そこはぜひ国外退避を認める方にやってもたいたいです」に、アンドリー氏は「今のゼレンスキー大統領の行動に対する支持率は、国民の90%なので、この政策はウクライナ国内では共通認識であり理解は広まっています」と返していた。

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2022年3月7日のニュース