備忘録7

[ 2020年8月17日 08:00 ]

第61期王位戦第2局第2日、木村一基王位(左)に勝利し、感想戦で対局を振り返る藤井聡太七段(日本将棋連盟提供)
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 【我満晴朗 こう見えても新人類】

 ☆7月9日 対渡辺明棋聖(第91期棋聖戦5番勝負第3局=東京・都市センターホテル)

 17歳11カ月の藤井は勝てば屋敷伸之九段の持つ史上最年少タイトル獲得記録(18歳6カ月)を更新する一戦。しかし現役最強の呼び声高い渡辺が貫禄の指し回しで快勝した。

 会場の都市センターホテル(東京都千代田区)はタイトル戦会場としてすっかり定着した感がある。15~16年は耐震工事中だった将棋会館の代替会場となり、タイトル戦は18年7月の棋聖戦5番勝負最終局で初開催。豊島将之八段が羽生善治棋聖をフルセットの末下して悲願の初タイトルを獲得した。この時は羽生勝利ならタイトル通算100期に達するとあり、現場には筆者も含め多数の報道陣が集結。勝負の行方を手に汗握りながら見守った記憶がある。

 その2カ月後には王位戦でこちらも挑戦者だった豊島が菅井竜也王位を破り2つ目のタイトルを奪取。そして記憶に新しい昨年9月は木村一基九段が豊島王位を破り、46歳にして初戴冠の記念すべき場にもなった。

 つまり、都市センターホテルでの大舞台ではいずれもチャレンジャーが勝利してタイトルをつかんでいる。そんなデータから藤井有利がささやかれたものの、最終的には過去の番勝負でストレート負けが一度もないという渡辺の勝負強さが光った。藤井の3連勝ならば同ホテル内の特設会場で記者会見が大々的に行われる予定で、関係者は準備に大わらわだった分、撤収作業も大変だったらしい。

 ☆7月13、14日 対木村一基王位(第61期王位戦7番勝負第2局=北海道札幌市・ホテルエミシア札幌)

 中盤から終盤にかけて劣勢に立たされた藤井だが、木村の緩手をきっかけに最終盤の大逆転。シリーズ成績を2勝0敗とした。

 正直なところ、筆者も藤井の敗戦原稿を書くつもりで準備を始めていた。単なる番勝負での1敗ではなく、9日の棋聖戦に続く公式戦2連敗となるからだ。過去の全成績を調べてみると、藤井の連敗は…

 ★17年8月24日=対豊島将之八段(棋王戦)→9月2日=対井手隼平四段(加古川清流戦)
 ★18年9月3日=対菅井竜也王位(棋王戦)→同14日=対山崎隆之八段(王位戦)
 ★19年5月23日=対豊島将之名人(銀河戦)→同28日=対都成竜馬五段(棋王戦)
 ★同7月8日=対久保利明九段(NHK杯)→同9日=対久保(銀河戦)

 以上の4ケースしかない。札幌の地で自身5度目の連敗を喫するのか…と表作りなどを進めていたところ、例の大どんでん返し。ドラマが詰まりすぎて原稿送稿後はふらふら状態になった。

 それにしても藤井棋聖、プロ4年間で3連敗が一度もないとは…。ひたすら驚愕(きょうがく)しかない。(専門委員)

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