映画「思い、思われ、ふり、ふられ」 浜辺美波と福本莉子の競演

[ 2020年8月17日 10:00 ]

(左から)赤楚衛二、浜辺美波、、福本莉子、北村匠海が出演する映画「思い、思われ、ふり、ふられ」(C)2020「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会(C)咲坂伊緒/集英社
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 【牧 元一の孤人焦点】およそ5カ月ぶりに映画館に足を運んだ。コロナ禍で、すっかり遠ざかっていた。見た作品は「思い、思われ、ふり、ふられ」(監督三木孝治)。選んだ理由は単純で、浜辺美波の主演作だったからだ。

 浜辺を初めて認識したのは、2017年の映画「君の膵臓をたべたい」だった。存在感があり、演技が繊細で、とても素敵な女優だと感じた。以後、「センセイ君主」「映画 賭ケグルイ」「アルキメデスの大戦」「屍人荘の殺人」と、出演作を追いかけてきた。現在は日本テレビ系のドラマ「私たちはどうかしている」に主演中で、すっかり売れっ子になったことに感慨を覚える。

 「思い、思われ、ふり、ふられ」は咲坂伊緒さんの漫画が原作。漫画はタイプの異なる2人の女子高生をヒロインにした群像劇で、浜辺が演じるのは明るく社交的な山本朱里の方だ。もう1人のヒロインは内向的でうつむきがちな市原由奈で、この役にはオーディションで福本莉子が選ばれた。

 率直な感想としては、この作品の中で浜辺と福本の魅力は拮抗(きっこう)している。特に、福本はおどおどしている前半がいい。北村匠海が演じる山本理央の部屋で勉強を教えてもらうシーンは見ている方もドキドキするくらい、かれんだ。

 福本は浜辺と同じ19歳。16年に「第8回東宝シンデレラ」でグランプリと集英社賞(セブンティーン賞)を獲得し、芸能界デビューした。11年に「第7回東宝シンデレラ」でニュージェネレーション賞を受賞した浜辺の後輩だ。

 これまで映画「センセイ君主」「屍人荘の殺人」で浜辺と共演しているから、その演技を見て来たはずだが、記憶に残っていない。「思い、思われ、ふり、ふられ」での輝きは、役柄の重要さ、三木監督の演出によるものだろうが、本人の成長も大きいに違いない。

 福本は当初、役柄が内向的でうつむきがちなタイプなのに、自身は正反対のタイプであることから、そのギャップに悩んでいたそうだ。ところが、三木監督と話し合いを重ねるうちに役柄を体得して表現できるようになったという。その結果、浜辺との競演がこの映画の見どころの一つになった。

 もしも、福本が演じた役を浜辺が演じたらどうだろうか。浜辺は魅力を表現するのが難しい方のヒロインを演じたのだと思う。女優しての実力を信頼されたがゆえのキャスティングだったと思うが、福本の好演を見ると、浜辺の市原由奈も見たい気がする。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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