「藤井新棋聖」誕生への歩み 第1、2局連勝 第3局は終盤連続王手で猛攻も…

[ 2020年7月17日 05:30 ]

第91期棋聖戦5番勝負の第4局で渡辺明棋聖(手前)を破り最年少タイトルを獲得した藤井聡太七段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の藤井聡太七段(17)が16日、大阪市の関西将棋会館で指された第91期棋聖戦5番勝負の第4局で渡辺明棋聖(36)を110手で破って3勝1敗とし、最年少の17歳11カ月で念願の初タイトルを獲得した。

 ▽棋聖戦第1局VTR 先手の藤井が渡辺得意の矢倉に誘い込む大胆な仕掛け。渡辺が終盤、16回連続王手の大逆襲を見せるが、自王の不詰みを見切っていた藤井が逆王手で渡辺を157手の投了へ追い込み、タイトル戦最年少勝利記録(17歳10カ月20日)を打ち立てた。

 ▽第2局VTR 序盤の戦型は第1局に続いて両者とも矢倉の「相矢倉」。金銀銀3枚を最前線に並べる好戦的な形に展開し、正確無比にリードを広げわずか90手で初タイトルに王手をかけた。この対局で最も話題になったのは藤井の58手目3一銀。最強コンピューター将棋ソフト「水匠」が6億手を読んだ末に最善手となる異次元の手だったとして世間を驚かせた。

 ▽第3局VTR 先手の藤井が得意とする戦型の「角換わり腰掛け銀」を選択。初手から1時間で50手に達する超ハイペースで進行し、昼食休憩に入った正午時点で76手。90手目に渡辺が9九飛を指し、藤井が長考。持ち時間も一時は最大1時間50分差となった。終盤は藤井が連続王手で猛攻をしかけるも、渡辺は冷静に読み切り142手で勝利。カド番から1勝を返した。

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