月亭方正、ダウンタウンから“おもろない”キャラ付けに苦悩した日々「ホンマにやめよう思っててん」

[ 2020年7月17日 17:08 ]

月亭方正
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 落語家の月亭方正(52)が16日放送のABCテレビ「やすとものいたって真剣です」(木曜後11・27)に出演。ダウンタウンとの出会いと、自身の「へたれキャラ」への葛藤の日々を赤裸々に語った。

 元々、方正はお笑いコンビ「TEAM-0」で活動し、結成3年目でABCお笑い新人グランプリで最優秀新人賞を受賞するなど上方若手のホープだった。その後、相方の野望に従い上京する運びになったという。「はじめダウンタウンさんが『ガキ使』始めたときにネタばっかりやっていて。まだその時は知名度もなかったから『これは前説いるで』って」とコンビに白羽の矢が立った。

 ダウンタウンについて「どっちも親分やんか。構図でいうと子分という人材がいる。俺はピエロになれるねん」。それまで一切面識がなかったというが「俺ばかりいじってもらって」と相性はよかったという。「ただ、相方は思うところがあったみたいで。相方も親分肌でね。それでダウンタウンさんが『スベリ笑い』っていうのを作りはって。相方はそれはどうも嫌やと。大喜利の時も落ち込んでいて『辞めたい…』って」。結局コンビは解散し、方正はピン芸人として歩み始める。

 「深夜番組とか出させてもらって少しずつ人気が出てきて。そしたら、TBSで『生生生生ダウンタウン』ってゴールデン番組始まるねん。俺がそこに抜てきや。俺も商品になってなかったからキャラクターをつけてもらって。それが『アホ』『ヘタレ』『スベリ芸』の三大悪やってん。芸人として1番アカンやん。要は『おもろない』ってことや。きついって、子供の頃は『ほーちゃんおもろい!』って言われてきてさ、NSCも主席で出て『おもろない』が辛いねん。言われたことなんかなかったんやもん。家帰って枕に顔うずめて叫んでたもん。涙ポロポロ出て」と地獄の日々だったという。

 「人気もあってん。それに実力が伴ってないのも苦しくて、こんなバカにされて、あほらしいわ、ホンマにやめようと思っててん。でも、このまま辞めたら“ホンマにおもんないから辞めたんや”って思われるやん。それだけは嫌だから受け入れようって。そのかわりお金はもらうぞって。月に85万くらい、それはもらうぞって。俺の描いていた芸人像の魂殺すねんもん」と道化に徹することに決意を固めた。

 「そして耐えて耐えてなんとか半年後、レギュラー番組が9本になった。世間が求めることに俺が答えていったんやな。これで良かったんだなと。俺がやろうとしていたのはエゴで、世間が求められることと合致してこの世界ってうまくいくんだな。そのかわり芸人像は箱に閉じ込めた。40歳で落語始めるまではみんなが知ってる山崎方正でいった」と自身の半生をしみじみと振り返った。

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2020年7月17日のニュース