13年前に幕開け「藤井伝説」…幼少期から卓越した集中力と“マグマの情熱”

[ 2020年7月17日 05:30 ]

藤井棋聖誕生 史上最年少タイトル獲得 ( 2020年7月16日 )

幼少期の藤井四段(右から2人目)(家族提供)
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 将棋を愛するがゆえの藤井“熱男”伝説の幕開けは13年前の2007年だった。藤井の祖母・育子さんが初心者用の将棋セットをプレゼント。動かせる方向が分かるよう、全ての駒に矢印が書いてあるものだったが、藤井はこれにのめり込んだ。木のブロックを組み合わせ、上から落とした玉が転がり落ちてくるように通路を作って遊ぶスイスの木製知育玩具「キュボロ」を3歳から楽しみ、その発想力にはすでに目を見張るものがあった。

 週4回、地元・瀬戸市の「ふみもと子供将棋教室」に通い、小学1年でアマチュア初段となった。営む文本力雄さん(65)は、「負けたら泣いて泣いて、涙が流れて止まらない…でも、冷静になったら固まったように盤上に集中。将棋への熱い思いはまるで“マグマ”のようでした」と証言する。

 小学2年のときの「将棋の日」(11月17日)のイベントで谷川浩司九段と指導対局。飛車角落ちで臨んだ谷川の圧倒的優勢だったが、指導時間切れとなったため、谷川が「引き分けにしようか」と提案すると、将棋盤に覆いかぶさって大泣き。負けん気の強さも群を抜いていた。

 集中力も卓越しており、小学校の頃は将棋のことを考えながら歩き、ドブに落ちたことが2、3度あった。中学2年のとき、プロ棋士となり、デビューから29連勝。その後の活躍は、幼少時から培った集中力と負けず嫌い気質が後押しした。

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