行定監督、無観客の劇場で映画愛をさけぶ「今となっては奇跡的にすばらしい出来事」

[ 2020年7月17日 20:27 ]

映画「劇場」初日舞台あいさつに登壇した行定勲監督
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 映画「世界の中心で、愛をさけぶ」などで知られる行定勲監督(51)が17日、東京・渋谷のユーロライブで、この日初日を迎えた主演映画「劇場」の初日舞台あいさつに俳優・山崎賢人(25)と出席し、映画館への愛を訴えた。

 当初は4月17日に公開予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になっていた。行定監督はこの日、劇場入りした際に「入り口のところに劇場の大きな看板がこう飾ってあって、何感じたことがない鳥肌が立つというか、感動を覚えました。こういう状況で映画を作り上げて上演させていただいているのは、ものすごく幸せなんだなと思いました。」と感慨深げにコメント。「当たり前のようにスクリーンにかけて見ていただいていたことが、今となっては奇跡的にすばらしい出来事なんだと感じられる初日を迎えました」と関係者に感謝を口にした。

 作品の中に出てくる「一番安全な場所」にかけて、自分自身の安全な場所ついて問われると、行定監督は「映画館ですね」と即答した。「映画館はやっぱり居心地いいですよ。映画館で眠るっていう体験をしたことがあると思いますけど、作り手としては本当は寝てほしくない。目を開けて見ようと思うけど、睡魔に勝てないですね。その時に決めて、『寝る』という映画館の心地よさというのは、他にない」と、ジョークをまじえながら力説。一方で、「その逆もある。みんなで見ている状況の中で見る体験というのは、他者と共有する瞬間もある。それがある、映画館っていいな」とも答えた。

 コロナとの共存時代で、どの劇場も消毒など感染対策をしたり、換気をして映画を見る環境を整えている。行定監督は「『今、映画館(での鑑賞)はどうなの?』と聞かれるけど、換気にものすごく気を遣って、莫大な金も使ってるし、皆さんの安全を守るようにやっている」と各劇場の努力に感謝。「できればですけど、映画館で他者と一緒に見てもらう経験ができたらいいなと思う」と、劇場での鑑賞を期待していた。

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2020年7月17日のニュース