将棋ラノベ「りゅうおう…」作者の白鳥さん「藤井棋聖は100メートル走8秒台の天才かも」

[ 2020年7月17日 22:38 ]

2018年に放送されたアニメ「りゅうおうのおしごと!」(C)白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会
Photo By 提供写真

 藤井聡太棋聖(17)より若い16歳4カ月のタイトル保持者を主人公とする人気ライトノベルで、アニメ化もされた「りゅうおうのおしごと!」の作者・白鳥士郎さんは、スポニチの取材に「おめでとうございます!おかげで私の小説も評価されるようになりました。ありがとうございます」と感謝と祝福のコメントを寄せた。

 「りゅうおう」を書き始めた2015年当時を「主人公が若すぎて『適当に書くな』と苦情もありました」と振り返る。主人公・九頭竜八一が16歳で竜王になった設定を、受け入れられない読者が多かったようだ。

 だが、2016年にデビューした藤井棋聖の快進撃に伴い評価は一変。「今では『しっかり取材している』と言われ、180度評価が変わった。『予言書かよ』とまで言われ、実際より高く評価されているようだ」と苦笑い。

 ちなみに八一を16歳に設定したのは「ライトノベルの中心読者層が中高生だから。それでも不可能ではないと思った。屋敷さん(伸之九段)は17歳でタイトル初挑戦して、18歳で獲得している」。ただ、藤井棋聖のような天才は「物語を作る人間にとっては困った存在かもしれない。100メートルを9秒台で争う前提でお話を書いているところに、8秒で走る人が現れると土台が揺らぎかねない。将棋ファンとしては楽しいが、作家泣かせかもしれない」とも語った。

 「りゅうおう」では、八一がタイトル獲得後に11連敗する。だが、藤井が快挙の反動に苦しむ姿は想像していないという。「若くしてタイトルを獲得したところは似ていますが、藤井さんはデビュー直後から日本中の注目を浴び、研究され尽くしてなお勝ち上がって来られた。タイトルを取ったからと苦労することもないのではないか」と考えている。

 藤井の故郷、愛知県瀬戸市のお隣の多治見市出身で「東海へタイトルを持ち帰って下さり、ありがとうございます」と、中部圏在住の棋士が初戴冠したことを喜ぶ。1988年に47歳で死去した名棋士で「東海地区にタイトルを持ち帰る」と気を吐いた板谷進九段の名を挙げて「今は弟子を取る余裕もないかもしれませんが、いずれは板谷一門を繋いでいってほしい」と期待を語った。

続きを表示

2020年7月17日のニュース