ロッテ・中森 明石商出身高卒3年目が幸運プロ1勝 初失点直後相手の暴投で逆転

[ 2023年4月6日 05:20 ]

パ・リーグ   ロッテ2-1日本ハム ( 2023年4月5日    ZOZOマリン )

<ロ・日>笑顔を見せるプロ初勝利の中森(右)と吉井監督(撮影・長久保 豊)
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 ロッテ・中森が万感迫る思いで切り出した。お立ち台から解放された第一声は「やっとスタートラインに立てた」。20年ドラフト2位で入団した高卒3年目右腕が、デビュー3戦目で待望のプロ初勝利を手に入れた。

 「(1勝は)遅いか早いか分かりませんけど…。大事な場面に使ってくださるのはうれしいですし、その期待に応えたい」

 0―0の7回から2番手として登板。先頭・松本剛の二塁打からプロ初失点となる先制点を献上したが、直後の攻撃で相手の暴投により2点を奪い、白星が転がり込んできた。

 「次はチームを助けられる、支えられる投手になりたい」

 開幕3連敗からの2連勝をもたらしても反省しきりだったが、幸運を呼び込んだのは地道な努力の積み重ねだった。明石商では2年時に春夏連続で4強入りするなど、交流試合を含めて4度の甲子園出場。聖地の申し子として名をはせたが、神髄はコロナ禍により夏の甲子園大会中止が決まった3年時の5月以降の姿にある。同校進学時からの目標だったプロ入りを達成するべく、一日も休むことなく練習を継続。その姿はドラフト指名後も変わらず、球団から与えられた練習メニューを黙々とこなした。

 過去2年はファームで過ごしたが、昨秋の宮崎フェニックス・リーグで台頭。入団時の投手コーチだった吉井新監督に剛速球を披露し「非常識なストレート」と言わしめた。

 期待が大きいからこそ、試合後、指揮官はあえて言った。「ああいう場面で簡単に抑えてほしいと送り出したけど…。いい経験になったと思います」。輝けるプロ野球人生は始まったばかりだ。(伊藤 幸男)

 ◇中森 俊介(なかもり・しゅんすけ)2002年(平14)5月29日生まれ、兵庫県丹波篠山市出身の20歳。福住小3年から野球を始め、明石商では1年夏から4度の甲子園出場(3年は交流試合)。2年時は春夏連続で4強入りした。20年ドラフト2位でロッテ入団。昨季は2軍で6試合を投げ、1勝0敗、防御率0・90。1メートル82、90キロ。右投げ左打ち。

 ▼明石商・狭間善徳監督 試合は見ることができませんでしたが、知人を通じて勝ったことを知りました。本当にうれしい限りです。明石商での3年間、とことん頑張ってきた男。棚ぼたとはいえ、野球の神様がくれた1勝だと思います。ケガさえなければプロでも活躍できますし、これが始まり。ただ、本人は目指すものがもっと上にあるので、淡々としてるでしょうね。同期のオリックス・来田ほどではありませんが、節目節目では連絡をくれます。オープン戦の全日程が終了した時にも電話があり「まずは中継ぎとして毎日ベンチに入ることになりました」と報告してくれました。痛みも我慢してやる選手なので「違和感を感じたらすぐに(首脳陣に)言うんやぞ」とは伝えました。

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2023年4月6日のニュース