阪神・岡田新監督、15日にも誕生へ 佐藤輝の“真の4番”育成に期待 競り負けた虎を勝てるチームに

[ 2022年10月15日 06:00 ]

岡田監督(撮影・栗木 昌宏)

 クライマックスシリーズ(CS)ファイナルS敗退を受け、阪神の次期監督に内定している岡田彰布氏(64)の就任が、15日にも球団から発表される。前回指揮を執った04年からの5年間で、05年のリーグ優勝を含めて4度のAクラス入りをした。オリックスでの3年間の監督を挟んで迎える08年以来となる猛虎の指揮官として、チーム18年ぶりのペナント奪取に期待がかかる。

 岡田氏は、再任が明るみに出てからは以降、ラジオ解説で自身の野球観を語ってきた。前日13日の試合では、佐藤輝について「打てないところを打てるようにする必要はない。弱点まで打てなくていい。打てないところが7割あっても、3割になるんやから」と絞り球の工夫を求めた。

 佐藤輝は球界初となる「左打者で新人から2年連続20本塁打以上」をマークした一方で、三振の多さなど打撃の粗さが目立つ。今季はチームで唯一、シーズン143試合に先発出場をしながら、13日のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルS第2戦ではスタメンを外された。通算1520安打を放ち、猛虎の4番を務めた新監督による“真の4番”育成に期待がかかる。

 今季、チームは総得点489で、総失点は12球団1位の428失点に抑えた。総得失点差が大きなプラスの場合、一般的に勝ち越すことが多いものの、借金を3を抱えた。競り合いの弱さが要因で、延長戦の成績は2勝10敗4分け、1点差ゲームは20勝25敗と負け越し。用兵術と勝負勘に定評がある岡田氏の手腕で、勝てるチームに変貌する可能性は高い。

 幸い、4年連続Aクラスの矢野監督のもとで選手は育った。野手は近本、大山、佐藤輝、中野がチームを代表する存在に定着。投手は湯浅、伊藤将、西純、浜地らが欠かせない戦力になった。幅広い選手が実戦を積み、複数ポジションをこなすマルチプレーヤーも多数生まれた。重圧がかかるCS、21年の優勝争いの経験も財産だ。

 2軍にも高寺、前川、森木、井上ら楽しみな素材が多い。外国選手をうまく補強できれば、85年以来2度目の日本一も夢ではない。

 20日のドラフト会議が“初仕事”となる見込み。近日中に開かれる就任会見で、優勝への青写真が語られる。

 ◇岡田 彰布(おかだ・あきのぶ)1957年(昭32)11月25日生まれ、大阪府出身の64歳。北陽(現関大北陽)から早大を経て79年ドラフト1位で阪神入団。80年に新人王。85年には球団初の日本一に貢献した。94年オリックスに移籍し、95年に現役引退。通算成績は1639試合で247本塁打、836打点の打率.277。以降オリックス、阪神のコーチを経て、04年阪神監督就任。05年にリーグ優勝を果たした。08年に辞任。10~12年はオリックス監督。右投げ右打ち。

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