マルテが、浜地が…阪神 失策で悪夢逆転負けに矢野監督「あれをアウトにするチームになっていかないと」

[ 2022年10月15日 05:15 ]

セCSファイナルステージ第3戦   阪神3ー6ヤクルト ( 2022年10月14日    神宮 )

セCSファイナル<ヤ・神>7回、村上(左)の内野ゴロで、一塁にグラブトスし悪送球する浜地(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 最後の最後に野球の怖さを思い知らされた。エースと4番の活躍での快勝ムードが、まさかの大暗転。阪神・矢野監督のラストゲームはあまりにも残酷な結果が待ち受けていた。

 「ギリギリのプレーだったと思う。あれをアウトにするチームになっていかないとダメだし、あれでいいとは思えないんで、みんながしっかり受け止めながら、一人一人、成長していくしかないと思います」

 こみ上げる感情を抑えながら、矢野監督が努めて冷静に振り返ったのは3―0の7回だ。力投を続けて来た青柳が3四死球で2死満塁を招きながら、山崎を一ゴロに打ち取った…かに見えた。ただ、捕球したマルテが二塁に悪送球し、2者生還を許す痛恨のエラー。ここで浜地にバトンタッチさせた。

 だが、悪夢は終わらない。宮本の四球後、2死満塁で村上という絶体絶命の場面を迎えながら、今季急成長した24歳右腕は真っ向勝負。6球目の渾身(こんしん)の直球でボテボテのゴロに打ち取ったものの、打球が弱すぎ、一塁のアウトはギリギリのタイミング。慌てた浜地のグラブトスが再び悪送球となり、右翼ファウルゾーンまでボールが転々とする間に走者が全員生還する信じられないプレー(記録は投前安打と失策)で一気に逆転された。まともな安打は一本も打たれないまま、一挙5失点。そこから再逆転する力は残っていなかった。

 就任4年間は毎年、リーグ最多失策。積年の課題が最後まで出てしまった形でも、選手を責めず今後の成長に期待した。苦しいことの方が多かった監督生活だが「感謝しかない。俺が退任することはファンの人ももちろん知ってるわけで、それでもああやって送り出してもらえて」と心を込めた。「俺たちの野球」は終わっても、全身全霊を注いで選手たちに伝えてきた「矢野イズム」は、猛虎の財産になるに違いない。(山添 晴治)

 【データ】阪神は7回の2失策がいずれも失点につながった。プレーオフ、CSでシリーズ通算6失策は、1973年南海(5試合)、2010年ロッテ(8試合)の7失策に次ぐ記録。セ・リーグでは16年広島(4試合)の4失策を超え最多となった。

続きを表示

2022年10月15日のニュース