広島・新井新監督「ファンの方々がワクワクするチームにしていきたい」就任会見で決意表明

[ 2022年10月12日 13:05 ]

<広島>就任会見で抱負を語る新井新監督 (撮影・奥 調)
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 球団OBで広島新監督の新井貴浩氏(45=本紙評論家)が12日、広島市内で就任会見に臨んだ。今季限りで退任した佐々岡真司監督(55)の後任として球団から要請を受け、受諾。第一声で「マツダスタジアムにきょう入った瞬間から、少しドキドキ、ワクワクという気持ちになってきました。(決断するまで)正直驚きましたが、私は1回カープを出てますので、それでもまた戻ってこいと言っていただいて、そこから3連覇もさせて頂きましたので、球団には大きな恩があるので、私には選択肢はなかったです」と意気込みを表現した。松田元オーナー(71)からもチームの再建と次世代育成に期待を寄せられており、粉骨砕身で挑む決意を見せた。

 引退後、チームを外から見ていた際は「楽しみなチームだなと感じていましたし、若手にしてもまだまだできる若手がたくさんいるなと感じていました」と、潜在能力の高さについて明言。カープをどんなチームにしたいか、と問われると「もちろん強いチームに、は当然ですが、ファンの方々が見ていてワクワクするチームにしていきたい」と意気込みを示した。

 新井はシックなスーツ姿に、カープを意識した赤のネクタイで登場。表情を引き締めて壇上から所信表明した。リーグ3連覇以降、4年連続のBクラス。坂倉、小園が定位置をつかんだとはいえ、若手の台頭の乏しさが低迷の一因となった。また、投打両面で課題はあり、チーム打率・257はリーグ1位でも一発長打に欠け、チーム盗塁数26はリーグ最少で球団ワースト。先発投手陣は終盤に息切れが目立ち、絶対的守護神・栗林につなぐセットアッパーも定着に至っていない。新監督の前に立ちはだかる壁は決して低くない。

 現役時代の実績は言うに及ばず。16年には史上47人目の2000安打を達成し、MVPを受賞する活躍で25年ぶりのリーグ制覇に貢献。18年に引退するまで勝負強い打撃や精神的支柱として3連覇を支えた。リーグ3連覇の立役者で人望、人脈、人気を併せ持つ同氏に再建を託された。その姿勢を知るナインの人望は厚く、会沢や菊池涼、大瀬良ら主力選手の多くが新監督を慕う。現役時代はチームを「家族」と表現した。現場を離れたのは19年からの4年間のみ。コーチ経験のない45歳の青年監督ではあるが、「家族」とともに大海原に飛び出す。

 ◇新井 貴浩(あらい・たかひろ)1977年(昭52)1月30日生まれ、広島県出身の45歳。広島工、駒大を経て98年ドラフト6位で広島入団。08年にFAで阪神移籍。15年から広島に復帰。リーグ3連覇を果たした18年限りで引退した。05年本塁打王、11年打点王。16年セ・リーグMVP。08年12月から12年12月まで労組日本プロ野球選手会の第7代会長を務めた。引退後は19年からスポニチ評論家。右投げ右打ち。

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