ファイナルS突破へ亀山氏が虎に提言 投手力の高い阪神が有利、ヤクルト・村上との勝負にこだわる必要なし

[ 2022年10月12日 08:00 ]

亀山つとむ氏

 12日からヤクルトとのファイナルSに臨む阪神に向け、本紙評論家・亀山つとむ氏(53)がエールを送った。亀山氏はファイナルS突破に向けて投手力の高い阪神の方が有利とした上で、(1)捨て身の姿勢(2)村上との勝負にこだわるな(3)大山は開き直り肝心――などと提言。史上最大の下克上を目指す古巣の背中を押した。

 勢い、流れは阪神にある。2位のDeNAを下して、きょう12日からファイナル。こうなれば、下克上でいっちゃいましょう。1勝のアドバンテージがヤクルトにあっても、接戦を勝ち抜いたという貴重な経験は阪神だけのものだ。

 投手力では阪神が勝っていることをヤクルトも感じているはず。嫌な相手だと思っているに違いない。リーグ優勝で昨年の日本一チーム。絶対に落とせないというプレッシャーがあるのは、相手の方だろう。言い方は悪いが、阪神は勝率5割を切った3位という立場だ。捨て身でいけば、いい。

 村上対策も同様と言える。相手の攻撃力の8割は、この4番にかかっていると言っても過言ではない。ファイナルの目標を「どんな形でもいいから勝つ」と割り切ってしまえば、おのずと答えは出る。堂々と勝負するというプライドに、こだわる必要はない。走者がいる場面ではストライクでは勝負しない。歩かせる選択を頭に入れた上で村上の前後をしっかり抑える。これも勝つための手段と言える。

 阪神の4番・大山の状態は気になる。DeNAとの3試合では9打数無安打。3戦目の6回無死二塁では送りバントの指示が出て、これも失敗。だが、ここに来て、タイミングの取り方を修正すべき…とか言っている場合ではない。3戦目でも右翼、左翼、そして一塁を守る守備の負担もあるが、今は目の前の試合を戦っていくしかない。大山は耐えて、背負っていける選手。自分の不調も、チームの悪い部分も、一手に引き受ける。そのくらいの思いで開き直ればいい。今年の阪神はそうやって戦ってきた。

 湯浅、西純と若い力を前面に出した早めの継投も機能している。守りのミスを減らせば、投手も球数を少なくできる。小技も含めて、やるべきことをしっかりやれば勝機は見える。キーマンは梅野。短期決戦ならではの配球を、どう彼が考えているか注目だ。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2022年10月12日のニュース