阪神・湯浅「打たれたくない!」同学年・ヤクルト村上に闘志 熱き守護神がファイナルSへ気力充実

[ 2022年10月12日 05:15 ]

阪神・湯浅
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 クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は12日にセ、パ両リーグで開幕する。ファーストSを勝ち抜いた阪神は、敵地・神宮球場でセ界王者ヤクルトと対峙(たいじ)する。ファーストSで2セーブを挙げ、突破に貢献した湯浅京己投手(23)は今後も継続して守護神起用される方針。今季ヤクルト戦11試合無失点で、3冠王の村上も3打数無安打に封じている右腕。ファイナルSでも猛虎の「熱き守護神」が熱投を演じる。

 横浜から神宮に決戦の舞台が移っても、その身に帯びた熱量に変わりはない。それどころか、闘志をさらに燃えたぎらせる。湯浅は、身体的な疲労を補って余りあるほど充実した気力を、言葉に乗せた。今や、おなじみとなった決めゼリフを三たび繰り返し、ファイナルSへの覚悟を示した。

 「アツアツ、アツアツ、アツアツと炎が燃えたぎるぐらいに。本当に、どんな状況でも、どんな場面で投げても、やることは変わらないと思う。チームの勝ちに貢献できるようなピッチングをしたいと思います」

 短期決戦を戦う猛虎に台頭した「熱き守護神」。45ホールドポイントでリーグ史上最年少での最優秀中継ぎタイトルを獲得したレギュラーシーズンを終えると、通算0セーブにも関わらずCSのクローザーに抜てきを受けた。DeNAとのファーストSでは第1、3戦ともに8回途中から最後まで、僅差のリードを守り抜いた。その獅子奮迅の活躍が、この日、福原投手コーチから「そうですね。そういう形になる」と守護神起用継続の言質を引き出した。ファイナルS進出の原動力となった背番号65への信頼と期待は、日増しに高まる一方だ。

 7月1日の中日戦での失点を最後に、ファーストS第3戦まで30試合連続無失点を継続中。盤石の投球を続ける男は、立ちはだかるセ界王者ヤクルトに対しても、頼もしい数字を持ち合わせる。ヤクルト戦は今季、登板11試合11投球回で失点、自責ともに0。加えて今季3冠王に輝いた村上に対しても3打数無安打(1与四球)、2三振と心強い。

 同学年である相手主砲は常に意識する存在だ。球宴後初登板となった7月30日の一戦では空振り三振に仕留め「本当にいいバッターですし、後半戦の最初に村上とやれたのは自分の中で大きい」と試金石とした。同学年として「オールスターでもいろいろ話をしていい刺激になっている」と親しむ半面、「対戦するからには打たれたくない」とライバル心も人一倍。試合を支配するためにも、“村神封じ”で相手打線寸断を狙う。

 3位からの下克上を掲げて臨むファイナルS。セ・リーグトップの救援防御率2・39を誇る鉄壁ブルペン陣こそ、猛虎最大の武器と言える。その最後の砦(とりで)として「熱き守護神」が仁王立ちする。(阪井 日向)

 ▽湯浅のファーストS登板VTR 8日の第1戦、2―0の8回2死一、二塁で登板し牧をフォークで空振り三振。続投の9回は2死からソトに安打を許したが、最後は代打・大田を三ゴロに仕留めた。10日の第3戦は3―2の8回2死二塁から救援。佐野を一ゴロに封じると、回またぎの9回は2安打と四球で1死満塁の大ピンチ。マウンドに足を運んだ矢野監督から「思い切っていけ」と激励を受けると、代打・藤田を初球の152キロで二ゴロの本塁併殺に打ち取り試合終了。チームをファイナルS進出へ導いた。

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