こんなにある矢野阪神「神宮球場の利」敵地でも7勝5敗、球場別防御率トップ、大山&輝は打率3割超え

[ 2022年10月12日 05:15 ]

矢野監督(撮影・北條 貴史)
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 矢野阪神はヤクルトに何度も煮え湯を飲まされてきた。昨季は勝率5厘差で優勝を奪われた。今季は開幕戦で7点差を逆転され、シーズン11勝13敗1分けと負け越した。矢野監督は「強いのは分かっているし、バランスが良いチーム」と、強敵であることを認める。

 ツバメに対して何かと劣勢の虎だが、強気になれるデータもある。神宮球場に限れば、セ界王者に7勝5敗と勝ち越している。投打の成績も軒並み良好だ。

 球場別チーム防御率1・74は同一リーグの球場で最も良い数字をマーク。本塁打が出やすい打者優位のグラウンドで、驚異的な低さを誇っている。

 主軸も神宮と相性が良い。同球場での打率は佐藤輝・327、大山・367。それぞれが、今季の球場別成績で最も良い数字を残している。ファイナルSでの爆発に期待が持てそうだ。

 佐藤輝は10日DeNA戦でソロを放ったものの、ファーストS3試合では10打数2安打と低空飛行だった。大山はもっと深刻で、9打数無安打と不振にあえぐだけに、得意の球場が追い風となる可能性がある。

 井上ヘッドコーチも主砲の変わり身を願う一人。大山の4番継続を明言した上で「1本出れば変わると思っている。ヒーローが日替わりで出るとすれば、神宮では大山は2、3回はあるんじゃないかな」と予言した。

 矢野監督は、DeNAを接戦の連続で破った勢いを感じながら、「ファーストステージを戦った気持ちのまま全員で向かっていけたらと思うし、それ以外にやれることはない」と一丸で戦うことを強調した。シーズン勝率5割未満から初の日本シリーズ、そして日本一へ。監督ラストシーズンでの栄冠へ。敵地・神宮の“地の利”を生かして、何度も口にしてきた「ドラマ」を起こす。(倉世古 洋平)

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2022年10月12日のニュース