首位打者の日本ハム・松本剛 一番うれしかったのは10年くらい寮で洗濯を担当の「おばちゃん」からの祝福

[ 2022年10月12日 06:00 ]

日本ハムの松本剛
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 7月に自打球を当てて左膝を骨折しながら打率・347で首位打者を獲得した日本ハムの松本剛が、11日から千葉・鎌ケ谷の球団施設で自主練習を開始した。今季最終戦となった2日の西武戦以降は静養や治療に専念していたため、9日ぶりの練習。初タイトルとなる首位打者を獲得した周囲の反応を問われると「たくさんの方から連絡をいただきました。普段連絡がこない方からもいただいた」と反響の大きさに驚きを隠せなかった。

 その中で「一番記事にしてほしい」と自ら番記者に依頼したのが、鎌ケ谷の「勇翔寮」でユニホームの洗濯などを担当する女性からの祝福だったという。11年ドラフト2位で日本ハム入りし、12年から5年間は寮暮らし。その後も2軍落ちするたびに世話になってきたという。「10年くらい(寮の)中でやってくれているおばちゃんがいるんですけど、あいさつしてちょこちょこしゃべったりしていた。(今季首位打者を獲得した後)凄いうれしそうに僕のところに寄ってきて、“なんで、そんなにずっと打てたの?”って(笑い)。凄いうれしかったみたいです。こっち(鎌ケ谷)にいる時間が長かったので、思い入れがあったみたいで、凄くうれしい気持ちでした。“いつも頑張っている姿を見ていたから”って言ってくれたので、うれしかったですね。見ていてくれたんだって思いました」と笑顔でやり取りを明かした。

 「きったない洗濯物を一生懸命洗ってくれていた」とこれまでの感謝を口にした松本剛は、厳しい1軍昇格を懸けた戦いの中で「にこにこ笑顔であいさつをしてくれていた」という「洗濯のおばちゃん」との日々の何気ないやり取りが癒やしになっていたのだろう。「洗濯のおばちゃん」は泥だらけのユニホームに松本剛の努力を感じ取っていたはずだ。17年に初めて規定打席に到達したものの、それ以外は鎌ケ谷暮らしも長かった松本剛。苦節11年でようやくつかんだ首位打者の初タイトル。秋の木漏れ日の中で聞いた心温まるエピソードだった。(東尾 洋樹)

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2022年10月12日のニュース