大谷はスーパーマン!!エンゼルスの連敗また止めた 真夜中1600キロ移動したのち6回零封5勝

[ 2022年6月18日 02:35 ]

ア・リーグ   エンゼルス4-1マリナーズ ( 2022年6月16日    シアトル )

<マリナーズ・エンゼルス>6回、好守を見せたダフィにガッツポーズを作る大谷(撮影・篠原岳夫)
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 大谷はやっぱりスーパーマンだ!エンゼルス・大谷翔平投手(27)が16日(日本時間17日)、敵地でのマリナーズ戦に先発して今季5勝目を挙げた。前日に打者でフル出場後、真夜中の約1600キロのフライトで朝4時到着の強行軍ながら、6回3安打無失点の好投。打っても自己最長タイの11試合連続安打となるマルチ安打で、まさに無敵のヒーローがチームの連敗を3で止めた。

 あのヒーローの胸のマークは「S」。スーパーな活躍を続けるShoheiが重なった。疲れを知らぬ厚い胸板。マリナーズ打線を技と力で封じ込めた大谷は「しっかり投げられた。甘く入ってもファウルになるくらいの球質で投げられた」と笑顔で振り返った。

 4回までは鋭く曲がるスライダーを多投。横滑りする球の残像を相手の脳裏に植えつけた。イチロー氏の愛弟子で新人王候補のJ・ロドリゲスもスライダーで空振り三振、二飛。一転して5、6回は直球で力勝負に出た。「最後の方は相手が変化球をケアしてきた。その裏というか(抑えられる)確率の高い球を投げた」。6回2死一塁ではローリーを99.2マイル(約160キロ)直球で空振り三振。激しくグラブを叩いた。

 そのボールは弾よりも速く、力は機関車よりも強い。そして高いビル、ならぬロサンゼルスからシアトルまでひとっ飛びした。打者でフル出場した前夜のドジャース戦終了が午後10時1分。約1600キロを空路で移動し、シアトルのホテル着は日付が変わった午前4時だった。

 「タイトなスケジュールで、物凄く体の状態が良く臨めたという感じではなかった」。それでも機内で短い睡眠を取るなど「なるべく寝られるよう管理している」。普通の先発投手なら前日中に先乗りで移動して体調を整える。ナイター後の空路移動→翌日登板は自身初。二刀流ならではのハードな日程も乗り越えるのが大谷だ。

 4勝目を挙げた前回登板の9日レッドソックス戦ではチームの連敗を14で止め、今回も3連敗で止めた。「昨日の今ごろ、彼は(ド軍戦の9回に)三塁打を打って走り回っていたんだぞ。そこから移動して100マイル(約161キロ)近くを何度も投げるなんて…。アメージングだよ」。試合後のフィル・ネビン監督代行も驚くしかない。12日のメッツ戦を休養させた際には「彼はいつもスーパーマンのように見えるけど、スーパーマンもたまには休みを取る」と話していたが、鉄人ぶりに改めて仰天した。

 今季65試合目、11登板目で5勝に到達。昨季の99試合目、15登板目を大きく上回り、年間12勝ペースとなった。昨季1勝足りなかった1918年のベーブ・ルース以来の「2桁本塁打&2桁勝利」。104年ぶりの偉業へも、ひとっ飛びだ。

 ▽スーパーマン クリプトン星人の遺児であるクラーク・ケントが新聞記者の傍ら、ヒーローとして活躍。青いコスチュームに赤いマント、胸に「S」のシンボルマークが特徴。80万トンを持ち上げる怪力で、時速800万キロで飛行。

 ≪走者背負って真骨頂「残塁率」80.6%≫データサイト「ファングラフス」によると、大谷は出した走者を本塁に還さない「残塁率」が昨季79.4%。規定投球回に未到達のためランクには入らないが、両リーグの先発投手で6位相当になる。今季は昨季を上回る80.6%でア・リーグ11位相当と、変わらず走者を許してからの粘り強さが光る。また、エンゼルスの中継局バリースポーツ・ウエストは、試合中に「今季は出した走者の中で15%しかホームを踏ませていない。これはリーグ平均の半分」と紹介した。

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