たとえば~糸原いるだ~けで虎は強くなれる―― 懐メロに乗ってノーノー左腕・今永から決勝打!

[ 2022年6月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神7ー5DeNA ( 2022年6月17日    甲子園 )

<神・D>初回、山本の適時打で生還した一走・糸原は笑顔を見せる(撮影・後藤 大輝)
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 たとえば、糸原がいるだけで虎は強くなれる。何より「ノーノー腕キラー」であることを誇示してくれた――。

 1点を追う初回。阪神・島田、中野の連打などで築いた2死満塁の好機で、トラフェスイベントのために選曲した奇数打席用の米米CLUB「君がいるだけで」が場内に響く中、左打席へ闊歩(かっぽ)。7日の日本ハム戦でノーヒッターの称号を得た先発・今永の150キロ内角直球を左翼線へ。「必死に食らいついた」と胸を張る一撃で2者を迎え入れ、逆転。ベンチに掲げた右手のガッツポーズは直後の山本の2点二塁打を呼び、その後の打線の奮起を誘発した。

 「ノーヒットノーランをやっている投手なので、チャンスは少ないと思っていた。それが初回に来て、絶対打ってやろうという気持ちで打った」

 糸原は今季のセ・パ交流戦で、完全試合を含むノーヒットノーランを成し遂げた2投手をきっちり攻略している。5月27日のロッテ戦では若きパーフェクト右腕・佐々木朗から2打数2安打し、8日のソフトバンク戦では東浜から1安打。そしてこの夜のノーノー左腕・今永撃ち。これで対左投手の打率はチーム規定打席到達者で1位の・309に。「ノーノー腕キラー」に加えて「サウスポーキラー」の肩書も背番号33の名刺に列記された。

 8回の第4打席では偶数打席用にセレクトした中島みゆきの美声を背に、「糸」を引くような弾丸を再び左前へ。次戦以降の戦いに勢いをつなげるべく、最後まで全力でグラウンドを駆け回った。

 「明日も勝てるように、チームみんなで頑張りたい」

 3位・広島までついに1差。どん底であえいでいた虎はもうどこにもいない。縦の糸は虎党、横の糸は猛虎。勝利のフラッグを織りなすべく、糸原が先頭に立つ。(八木 勇磨)

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