ヤクルト・高津監督 球団史上最速の63試合目で貯金20!「みんなよく頑張ってくれた」

[ 2022年6月18日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト7―2広島 ( 2022年6月17日    神宮 )

<ヤ・広>ファンにあいさつする高津監督(撮影・村上 大輔)
Photo By スポニチ

 40歳の青木が打っても、20歳の長岡が打っても盛り上がる。ベテランのハッスルプレーに若手が笑顔で拍手を送る。ヤクルトのベンチに壁はない。「のびのび野球」。高津監督が掲げる野球を、ナインが体現した勝利だ。

 「覚悟を決めて、腹をくくって、グラウンドに立ったらのびのびやってくれた。それがスワローズの野球。今日のスタートはみんなよく頑張ってくれた」

 指揮官が満足げに振り返ったリーグ再開の初戦。決勝打を放ったのは交流戦は打率・153だった山田だ。1―1の3回1死二、三塁。「気持ちを出して打った」と大瀬良の内角147キロ直球を詰まりながら左翼線に運び、2点二塁打とした。

 キャプテンも務める山田は「監督からも言われていたのでリセットして、また新たな気持ちで臨んだ」と言った。交流戦は14勝4敗で18年以来、4年ぶり2度目の優勝。最後の試合だった12日のソフトバンク戦の試合後、指揮官はナインを集めた。「これから先が本当の正念場。この4日間でしっかり心も体もリフレッシュしてください」と2日間の休養日を含むリーグ戦再開までの過ごし方を指令。練習の虫である宮本には「明日(13日)はスイング禁止。これはもう監督命令だから」といじって和ませた。

 根底にあるのは野村イズムだ。恩師である野村監督について高津監督は「野球は凄く難しくて奥が深いけど、グラウンドではのびのびやらせてくれた」と言う。だから自身も選手が萎縮するような雰囲気は絶対につくらない。この日も試合前に「ミスしたらお小言をもらうかもしれない。でも、そんなことを気にしてプレーすることは絶対にやめてください」と選手に伝えた。

 チームは野村監督が指揮してリーグ優勝と日本一に輝いた97年6月29日以来となる6月中の貯金20。日数も63試合目での到達も、ともに球団史上最速だ。今のチームには一体感、そして底力がある。(青森 正宣)

 ≪V率86%≫ヤクルトが今季最多の6連勝で41勝21敗1分けとし、両リーグ最速で貯金20に到達した。ヤクルトの貯金20到達は8度目で、6月17日、63試合目での達成は、97年の6月29日、66試合目を抜く球団最速になった。また、高津監督は昨年に続く大台到達。ヤクルトで2度も貯金20以上にチームを導いたのは93、95、97年と3度の野村克也監督以来2人目で、2年連続は初めてだ。なお、チームが貯金20をクリアした過去7シーズンのうち、優勝を逃したのは2位に終わった80年しかなく、V確率は86%だ。

 ▽ヤクルトの前回の6月中の貯金20 97年6月29日の広島戦で9―0と大勝し、6連勝で貯金20に到達した。当日は62歳のバースデーでもあった当時の野村克也監督は「みんな孝行息子や。これ以上のバースデープレゼントはないわ」とご満悦。同年は83勝52敗2分けで2位に11ゲーム差をつけてリーグ優勝を決め、日本シリーズでも西武を破って日本一となった。

続きを表示

この記事のフォト

2022年6月18日のニュース