元虎戦士・高橋聡文氏がエール 若虎よ、チャンスをモノにせよ 「7回の男」へ闘志を燃やせ

[ 2021年9月14日 06:00 ]

19年に引退した高橋聡文氏
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 元中日、阪神の投手で中日時代には4度のリーグ優勝を経験した高橋聡文氏(38)が13日、スポニチ本紙を通じて後輩に助言と激励を送った。中継ぎ一筋532試合に登板した名左腕は「今がチャンスと思え」と若虎に熱いエール。自分たちの野球を貫くことが頂点につながると強調した。

 まず言いたいのは、本当の勝負はまだ先だということです。今、意識しすぎたり、焦ったりするのが一番ダメ。もちろん、最後は全力を振り絞る時が来ます。僕も10年の優勝直前や日本シリーズでは「ここで壊れてもいい」というつもりで投げました。実際、壊れてしまって、11年はほとんど投げられなかったんですけど(笑い)。ただ、今はまだこれまで通りの野球を続ければいいと思います。

 見ていて少し気になるのは、このチームの持ち味の明るさ、元気さがちょっと薄れてきているんじゃないかなと。開幕当初の勢い、雰囲気をもう一回、思い出してほしい。中日時代に優勝争いをしていた時、「相手が焦っているな」と思えた試合はすごく楽でした。落合監督の中日は喜怒哀楽を出さないチームカラーでしたが、そのスタイルを最後まで貫いたので、相手は嫌だったと思います。

 僕の持ち場だったブルペンの話をすると、今季は岩崎、スアレスが8、9回にいる。そこにどうつなぐか。7回が固定できないのが課題でしょうか。ただ、僕から見ればそこにすごいチャンスが転がっている。優勝争いの勝ち試合で投げられる経験は、ものすごく大きいんで。馬場とか他の若い投手がどう思っているかは分かりませんが、「自分が投げる」というメラメラした気持ちがほしいです。

 優勝の経験は今後の野球人生にも大きい。この戦いを勝ち抜ければ、来年は「おっ、向こうは焦っているな」と気付けたり、引き出しが増える。萎縮せず、“すごく大きな経験ができているんだ”という気持ちで思い切ってやってほしい。(元中日、阪神投手)

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