パ“4強”展望 ロッテM点灯視界、五輪中断後は独り勝ちも“お得意さま”Aクラスとの対戦最少

[ 2021年9月14日 05:30 ]

ロッテ・レアード
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 プロ野球は各球団が残り30試合余りのシーズン最終盤。パ・リーグはロッテが快進撃で、最短で16日にもマジックが点灯する状況まで迫ってきた。佳境に入るパ・リーグの優勝争いをデータ面から分析する。

 パは交流戦Vから波に乗ったオリックスが、ロッテに首位を明け渡した。首位に6.5ゲーム差につけている4位・ソフトバンクは正念場だ。

 五輪中断後、ロッテの勝率は.714。オリックスが勝率5割ジャストで、他の4球団は4割台と独り勝ちといってもいい状況だ。レアード、マーティンら打者の活躍に目がいくが、要因は投手陣の充実。9月はリーグトップのチーム防御率3.12。特に救援防御率が8月は1.87、9月は2.32と2カ月連続でリーグトップ。両リーグトップの27度の逆転勝利を支える数字だ。

 オリックスは9月の1試合の平均得点が2.91と打線の低調が気掛かり。吉田正が故障で離脱するなか、売り出し中の杉本が8月以降、打率.356、8本塁打と気を吐いてはいるが、チーム全体の攻撃力の低下を止めるまで至っていない。2人で24勝の山本、宮城の両腕は計算できるが、他の投手では山崎福、田嶋の5勝が最多。7日からの勝利も宮城と山本のみとなっている。9月は先発、救援とも防御率5点台後半と投打の数字での悪化が、2位後退につながった。

 オリックス、楽天はAクラスとの対戦勝率が5割を下回る。一方でロッテは勝率.629と上位球団相手に勝利を積み重ねている。ロッテはAクラスとの残り対戦は上位4球団で最少の10だがどうか。一方でロッテと9試合を残す4位ソフトバンクの存在も不気味だ。

 【本紙評論家・有藤通世氏はこう見る】ロッテは打線がうまく機能している。1番・荻野が元気なのが大きい。藤岡も下位でスパイスになっており、どこからでも得点が奪える。中日から移籍の加藤はリードがいいし、DeNAから移籍の国吉も役割を果たしている。さらに佐々木朗。10日の好投は首位チームに勢いをもたらした。

 対する2位のオリックスはやや疲れが見えるか。杉本が頑張っているが、吉田正の不在は大きい。彼の復帰時期がポイントになる。投手陣は山本、宮城に続く先発として田嶋の奮起が欠かせない。楽天は守護神・松井を欠いているのが苦しい。ソフトバンクもグラシアル、モイネロが不在のまま。現在借金1。まずは3位を見て戦うしかない。

 今季は引き分けが多いので、60勝台での優勝もあるかもしれない。例えばロッテは現在52勝で、残り35試合。18勝すれば70勝に届く。20勝して72勝ならV確率はかなり高くなるだろう。2位オリックスが72勝するには、残り32試合で20勝。このあたりが優勝ラインになりそうだ。

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2021年9月14日のニュース