福島敦彦氏 選抜から確実に磨きがかかった智弁学園・前川君の打撃 バットコントロールの巧さが光る

[ 2021年8月12日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権第2日・1回戦   智弁学園10-3倉敷商 ( 2021年8月11日    甲子園 )

<倉敷商・智弁学園>2安打を放った智弁学園・前川(撮影・河野 光希)
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 【福島敦彦の迫球甲子園】注目していた智弁学園の前川君は長打こそ出なかったが、今大会を代表する強打者だと改めて感じた。三振に終わった6回、カウント2―2から外寄り低めの変化球を大振りすることなく鋭く強く振って捉えた打球はファウルにこそなったが右翼ポール際を通過しスタンド中段近くまで届いた。難しい球にも体勢を崩されることなく、うまくバットコントロールしてあそこまで運べるのは出色。今春選抜は不完全燃焼に終わったが、確実に磨きがかかっており、2回戦以降が楽しみだ。

 他の打者もそろって、大振りせず低い打球をライナーで打ち返すスイングを徹底している。球の見極めもよく相手バッテリーからすれば神経をすり減らされる、切れ目のない打線になっている。

 倉敷商は大敗の中、9回に先頭の主将・山下君が中前打で出塁すると藤森君、品田君、西川君の2年生3人が連打で続いて3点を奪った。この最後まで諦めない姿勢こそが大事なこと。2年生も多く若いチームで最後の粘りを自信にしてほしい。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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