数年後の大谷のライバル?東京五輪米国代表の主砲

[ 2021年8月12日 08:00 ]

五輪野球準々決勝、日本戦で3ランを放つ米国のカサス
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 忘れてはいけない名前だな、と思った。トリストン・カサス内野手(21)。東京五輪で米国代表の銀メダルに貢献し、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が選出する一塁手のベストナインに輝いた。8打点は今大会トップで、3本塁打はトップタイ。準々決勝の日本戦では青柳から3ランを放った。

 日本戦でのアーチは、これが初めてではない。早実時代の清宮(現日本ハム)らが出場した17年のU18W杯でも2ラン。大会3本塁打で優勝に導き、MVPに輝いた。18年にレッドソックスからドラフト1巡目指名を受け、現在は傘下2Aに所属している。

 メジャー予備軍の有望株は、準優勝という結果に満足していない。地元紙ボストン・グローブに語ったコメントに、その思いが存分に表れていた。「金メダル獲得という、ここ(日本)に来た目的を果たせなかった。銀メダルを家に飾ることはないだろう」。侍ジャパンについて「我々を2度倒した。脱帽だ」とも付け加えたが、勝ち気な性格はいかにもプロ向きといえる。

 公開競技だった84年のロサンゼルス五輪では、同年にアスレチックスから1巡目指名を受けたマーク・マグワイアが米国代表の銀メダルに貢献。メジャーでは通算583本塁打を記録した。08年の北京五輪では、アマから唯一選出された右腕スティーブン・ストラスバーグ(現ナショナルズ)が出場。銅メダルに貢献し、ここまで通算113勝を挙げている。「金の卵」は、国際大会でも足跡を残している。

 レッドソックスは現在ア・リーグ東地区の2位。カサスが近いうちにメジャーに昇格するかは微妙だが、数年後に同じリーグのエンゼルス・大谷のライバルとして、頭角を現す可能性は十分にある。(記者コラム・大林 幹雄)

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