松商学園 17点快勝で史上初4元号勝利!“ゴジラ”織茂 5安打6打点

[ 2021年8月12日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権第2日・1回戦   松商学園17―4高岡商 ( 2021年8月11日    甲子園 )

<高岡商・松商学園>2回、松商学園・織茂は中前打を放つ(撮影・平嶋 理子) 
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 1回戦4試合が行われ、松商学園(長野)は打線が17安打17得点を挙げ、高岡商(富山)に大勝。大正、昭和、平成、令和の4元号勝利をマークした。

 来る日も来る日も、公園で振り込んできた。甲子園でヒットを打つために、全体練習が終わってから約1時間。松商学園・織茂秀喜(3年)は素振りを日課にしてきた。あのレジェンドのように。

 松井秀喜氏がヤンキースに移籍した03年の7月4日生まれ。名前には父・和行さんに「活躍できる人に」との願いを込められた。

 「県大会からつなぐ意識でセンターに低い打球と思ってきた。甲子園でも変わらずにできた。チームに貢献できたのかなと思う」

 初回に左前打を放つと、止まらなかった。中前、右越え二塁打、中越え三塁打。8回2死満塁で回ってきた第6打席では直球を叩き、右中間へ走者一掃の二塁打を放った。5安打6打点。本塁打が出ればサイクル安打の大活躍に「試合が終わってチームメートから言われて“そうだったのか”と」。初めての甲子園でも公園と同じように無心でバットを振り、ゴジラのように勝負強い打撃を見せた。

 チームは17安打で17得点。春夏甲子園で長野県勢最多得点を挙げた。同時に、大正、昭和、平成、令和と4元号での勝利を挙げた史上初の高校になった。選手時代に夏の甲子園に2度出場した松商学園OBの足立修監督は「先輩たちに敬意を表するとともに、今日勝った選手には感謝したい」と歴史の重みをかみしめた。

 冬場の打撃練習では竹バットを使用し、織茂は「芯が小さいのでミート力が伸びた」と実感。時には1キロの重量バットを振って最短距離でスイングすることを叩き込み、大舞台での猛打につながった。「目標は日本一」。昭和3年以来の頂点を、本気で狙っている。(川島 毅洋)

 ◇織茂 秀喜(おりも・ひでき)2003年(平15)7月4日生まれ、長野県出身の18歳。小2から野球を始め、塩田中では上田南シニアでプレー。松商学園では1年秋からベンチ入り。1メートル73、73キロ。左投げ左打ち。

 ≪北海、高松商もあるぞ≫前日に米子東と静岡がともに1回戦で敗退。令和となった19年夏以降、4元号勝利を狙った学校は春も含め7連敗中だったが、松商学園が一番乗りを果たした。今大会の出場校では他に北海、高松商に4元号勝利が懸かる。

 ▽松商学園 1898年(明31)創立の私立校。1948年(昭23)に松本商から改名。1913年(大2)創部の野球部は1928年(昭3)夏に甲子園優勝。部員は95人(マネジャー1人)。主なプロ野球OBは初代3冠王の中島治康(元巨人)、上田佳範(現日本ハム外野守備走塁コーチ)、直江大輔(巨人)ら。所在地は長野県松本市県3の6の1。長野雅弘校長。

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