いきなり「史上初」に挑戦だ 阪神・佐藤輝がプロ初打席弾なら新人左打者初「ホームラン、打ちたい」

[ 2021年3月26日 05:30 ]

開幕を前に気合の入った表情でティー打撃する阪神・佐藤輝(撮影・大森 寛明)
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 阪神は25日、神宮球場で全体練習を行い、ドラフト1位・佐藤輝明内野手(22=近大)は5日ぶりのグラウンド上でのフリー打撃で57スイングし、柵越え13発。豪快に“予行演習”を済ませ、新人の左打者としてはプロ野球史上初の「開幕戦初打席本塁打」を見据えた。

 ど派手なデビューを飾る前に、豪快に“予行演習”を済ませた。20日のオリックスとのオープン戦の試合前練習以来5日ぶりに行ったグラウンドでのフリー打撃。佐藤輝は面白いように柵越えを連発した。そして状態の良さを物語るように、舌も振るった。節目の日を前に、堂々の「ホームラン宣言」だ。

 「いよいよだなという感じがしています。ホームラン、打ちたいですね」

 12スイング目のバックスクリーン左への柵越えを皮切りに、21日のオープン戦欠場の理由となった蓄積疲労の影響を全く感じさせない豪快な打球を連発した。引っ張って右方向はもちろん、逆方向への打球も本来の飛距離を誇った。ティー打撃の最中から示し合わせたかのように有線から流れた「ももいろクローバーZ」の楽曲も、サトテルをリズムに乗せたのかもしれない。3連発など、存分にパワーを発揮。「田中将大(ももいろクローバーZのアルバム名)が流れていた」。最後は推定飛距離135メートルのバックスクリーン越え弾で締めくくった。

 同じ神宮球場で行われた16日の開幕前哨戦では、寺島から右翼席上段へ特大の一発をたたきこんだ。近大2年時の明治神宮大会でも1回戦の筑波大戦で左越えソロを放つなど開幕の舞台に持つイメージは悪くない。「(相性が)いいんじゃないですかね、分からないですけど。しっかり明日打って、相性よくしたいと思います」と不敵に笑ってみせた。

 新人選手が開幕戦で本塁打を放てば、球団史上初の快挙。さらに初打席で本塁打を放てば、プロ野球史上3人目、左打者としては史上初となる。オープン戦初戦だった5日のソフトバンク戦では初回に石川から左翼への本塁打を放つなど、オープン戦の6本塁打中、3本が1打席目。この男なら、偉業達成も決して夢物語ではない。

 「ホームランが一番野球で面白い、楽しいことだと思うので、それを出せたらいいかなと思います。楽しみですね」

 矢野監督からも「スタメンをつかんだんやから、思い切ってやればいい」と背中を押された。最善の準備を済ませ、後は本番で結果を残すのみ。サトテルの豪快なアーチが阪神ファン、いや、全ての野球ファンを魅了する瞬間は、すぐそこだ。(阪井 日向)

 《右打者が2人達成》佐藤輝(神)が開幕戦で本塁打を放つと14年の西浦(ヤ)以来14人目で、阪神では史上初になる。また、新人の開幕戦本塁打のうち、初打席となると50年の戸倉勝城(毎日)と前記の西浦しかなく、いずれも右打者。左打ちの佐藤輝が開幕戦初打席初アーチなら史上初となるがどうか。

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