いざ甲子園のマウンドへ 「みちのくのドクターK」仙台育英の左腕・向坂に新たな武器

[ 2020年6月22日 05:30 ]

練習試合   仙台育英4―0ノースアジア大明桜 ( 2020年6月21日    仙台育英グラウンド )

ノースアジア大明桜との練習試合で先発した仙台育英の向坂
Photo By スポニチ

 「みちのくのドクターK」こと仙台育英の左腕・向坂(むかいざか)優太郎投手(3年)が21日、宮城県多賀城市の仙台育英グラウンドで行われたノースアジア大明桜(秋田)との練習試合に先発し、6回を2安打無失点7三振の好投。向坂は「昨日(20日)の青森山田戦の中継ぎ登板に続いての連投だったので、少ない球数で長い回数を投げることを意識した。内野ゴロを多く打たせることができて良かった」と笑顔をのぞかせた。

 大学進学希望を明かしている最速143キロ左腕にヤクルト・斉藤宣之スカウトは「すごく良い投手。スライダーとツーシームが良い。テークバックが小さく打者からボールが見えずらいフォームで投げている。イメージとして近いのはソフトバンク・大竹耕太郎投手。大学で直球のスピードが上げれば上位候補になると思います」と将来に期待をかけた。

 6人の右打者が先発オーダーに並んだ明桜打線を封じることができたのは、新しい変化球の存在が大きい。「どんなカウントでも自信を持って投げられる球」という宝刀のスライダーに加え、昨冬に1学年後輩の伊藤樹(たつき)投手の助言で習得した鋭く落ちるツーシームで右打者への攻めに幅が出た。向坂は「今までは右打者への配球で無理してインコースに投げないといけない苦しさもあった。スライダーと使い分けができ、(右打者への)苦手意識が解消できた」と話す。

 ななめに落とす感覚で投じるというツーシームはボールを挟む指の間隔で球速を調整し、120キロ台から130キロ台まで場面に応じて使い分ける。この日も右打者に直球とスライダーでインコースを意識させた後に投じる新球で空振りを奪う場面が目立った。

 8月にセンバツ出場予定だった高校による「2020年甲子園高校野球交流試合」への出場を控える左腕は「仙台育英らしい継投策で勝ちたい。(阿部恋や粕谷などとの)継投により、それぞれの持ち味がより出せると思う」と話す。新しい武器を手に入れた向坂の投球に注目だ。(柳内 遼平)

続きを表示

この記事のフォト

2020年6月22日のニュース