レイズ・筒香 実戦デビュー初打席でいきなり中前打 相手ヤンキースの一塁手ボルト「ようこそアメリカへ」

[ 2020年2月25日 05:30 ]

オープン戦   レイズ9―7ヤンキース ( 2020年2月23日    シャーロットスポーツパーク )

ヤンキース戦の2回、オープン戦初打席で投手強襲安打を放つレイズ・筒香
Photo By ゲッティ=共同

 レイズの筒香嘉智選手(28)が23日(日本時間24日)、同じア・リーグ東地区のライバルであるヤンキース戦に「5番・左翼」で先発し実戦デビューを果たした。2回無死一塁で迎えた初打席でいきなり中前打を放つと、第2打席では粘って四球。6330人のファンで埋まったシャーロットスポーツパークで1打数1安打1四球の満点デビューとなった。

 一塁ベース上に立った筒香に、ヤンキースの一塁手のボルトが話し掛けてきた。「ようこそアメリカへ」。少しだけ表情を崩した背番号25に、スタンドからはこの日一番といえる大きな拍手が注いだ。

 「(ボルトとは)緊張したかとか、そのような会話でした。今の段階、体の状態からすれば十分。ここまで順調に来ている」
 2回無死一塁で初打席が回ってきた。ベテラン右腕ヘールの球筋を見ながら2ボール1ストライクからの4球目、93マイル(約150キロ)の高め直球を叩いた打球はヘールのグラブに当たったが、中堅へと抜けた。走者を三塁に進め、この回の逆転劇を呼んだ。

 01年イチロー(マリナーズ)、05年中村(ドジャース)以来となるオープン戦初打席初安打。しかし、筒香は「そんなに感情はない」と話した。理由は自身のイメージとのずれだ。「本当はゴロになっちゃいけない球。(無死一塁の場面で)一、二塁間を狙いにいきますので、そっちにはイメージがあるんですけど、全然思っているのと違うところに飛んだ」と説明した。

 4回の第2打席は、追い込まれてからファウルで粘り、8球目で四球を選んだ。「ファウルを打つには技術を使う。僕の中では2ストライクからああいうファウルを打てているというのが安心材料」と話した。変化球を頭に入れながら150キロ台後半の球に対応できた。ストライクゾーンについては「審判によってだいぶ違うと思う。審判の名前と癖をしっかりメモして残しておきたい」と話すが、ボール球に手を出さず、出塁する日本時代同様のスタイルを出せたことが収穫だ。

 左翼での2度の守備機会も無難にこなした姿に、ケビン・キャッシュ監督は「出塁して、ヒットを打って、ヨシにとって良かった。レフトでも気持ちよくプレーしているように見えた」と評価した。

 チームメートのアダメスの行きつけの理髪店できれいに刈り上げて臨んだ初戦を終え、スタンドのファンとも握手を交わし、歓声には手を振って応えた筒香。「シーズン中にああやってもらえるように、日々起きることを修正しながらやっていきたい」。しっかりと地に足を着けて調整を進めていく。(米フロリダ州・ポートシャーロット 奥田 秀樹通信員)

 ≪昨季出塁率.388≫筒香はパワーヒッターでありながら、選球眼も優れているのが特長。昨季ボール球にバットを出す確率は17.9%。20本塁打以上したセ・リーグ打者では(1)鈴木誠(広)12.2%、(2)山田(ヤ)12.3%、(3)丸(巨)15.6%に次ぐ数字。88四球はリーグ3位、打率.272ながら出塁率は1割以上高い.388を記録した。

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