日本ハム栗山監督、開幕投手・有原への“メッセージ”に込めた思い

[ 2020年2月24日 09:00 ]

2月21日午後2時21分21秒、有原の開幕投手を発表した日本ハム・栗山監督(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 毎年、開幕投手の通達日に意味を持たせている日本ハム・栗山英樹監督(58)。昨年は2月12日午後12時12分に「開幕1、2戦目」に投げる上沢と金子を公表した。今年は「20勝を通過点としてほしい」という願いを込め、2月21日の午後2時21分21秒に多くの報道陣を前に「今年の開幕投手、有原航平投手でいきます」と語った。

 有原に17年以来2度目の大役を託した指揮官。「航平と心中する」と今季に懸ける並々ならぬ思いを口にする。熱い言葉だけではなく、開幕投手の伝え方にも魂がこもっていた。タピックスタジアム名護の監督室に有原を呼び、自身がオフに読んで「一番刺さった」という経営者・稲盛和夫氏の「心。」(サンマーク出版)に直筆メッセージを書いて大役を通達した。手紙ではなく、なぜ本に直接書き込んだのか。それは「手紙だと書き直せるから失礼」という理由からだ。メッセージを書き入れるために持ち込んだ著書はたった1冊。「絶対に間違えられないという緊張感の中で自分で魂を込めて書いたつもり。誠意を尽くしきる」と熱い口調で“一発勝負”した意図を説明した。

 「心。」には、人を思いやる心(利他の心)に裏打ちされた強い心が物事を成し遂げる、とされている。「仲間のために」という思いをより一層強く持ってもらうため、今季から投手キャプテンにも任命し、絶対エースとしてさらなる自覚を促している。著書に記したメッセージの内容の詳細については伏せたが、自身の心を律することは困難だという例えの「“山中の賊を破るは易く心中の賊を破るは難し”みたいなこと」と説明。「本にも意味を持たせて渡した。皆そうだと思うけど、自分のことが一番わからないし、自分をコントロールするのが凄く難しい。チームを全部背負うのは大変なことだけど、自分自身を支配できれば必ず結果が残る投手だと思っている。あえて一番難しいことを課してメッセージを送ったつもり」と明かした。

 昨季15勝を挙げて最多勝に輝き、12月の契約更改の席では20年オフにもメジャー挑戦する意向を明かした。有原が20勝以上を記録すればチームも日本一に近づき、夢のメジャー移籍の扉が開けると栗山監督は信じている。「自分の夢を言ったことはいいこと。(大谷)翔平もそうだったけど、チームの皆に喜んでもらって行くのが理想。皆が行ってらっしゃいって言うためにはチームを日本一にしてから行かせてあげるのが一番いい」。今秋、有原が指揮官の求める姿になっていれば2人の夢は叶うはずだ。
(記者コラム・東尾 洋樹)

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2020年2月24日のニュース