阪神 鳥谷 今季初の決勝打&お立ち台「懐かしい感じがしますね」

[ 2019年9月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―0DeNA ( 2019年9月22日    甲子園 )

ヒーローインタビューでガッツポーズを決める(左から)梅野、鳥谷(撮影・後藤 正志)
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 阪神・鳥谷敬内野手(38)が22日のDeNA戦で今季初の決勝打を放ち、今季初めて本拠地・甲子園球場のお立ち台に立った。5回1死一、二塁で代打登場し、左前へ先制打。今季限りの退団が決まっている中、3位・広島まで1・5ゲーム差へ再接近する2連勝を呼び、逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出への可能性をつないだ。

 この光景を待ち焦がれていた虎党がどれだけいただろう。快勝の余韻残る甲子園球場が沸き立った今季初のお立ち台。鳥谷はクールな語り口に万感の思いを込めた。

 「なかなかこういう機会がなかったので、懐かしい感じがしますね。本当にたくさんのファンの方が最後まで残ってくれているのでうれしい限りです」

 5回1死一、二塁でガルシアへの代打で名前をコールされ、場内のボルテージが一気に高まった。バリオスの2球目ツーシームを捉えて三遊間を抜いた左前打。北條を先制の本塁へ還し、最高潮に達した。一塁走者としても木浪の遊撃へのゴロで鋭く二塁へ滑り込んだ好走塁で満塁の好機を継続し、追加点へつなげた。

 「タイガースが(今年で)終わりとなる前から、打席に立った時の声援はすごい励みになるし、本当に出番を待ってくれているんだなというのを感じる。その中で何とか結果を残すことが毎日の活力になるので、すごく感謝しています」

 甲子園で戦うレギュラーシーズンは残り3試合。長らく猛虎の象徴だった男にとって、うれしいこと、辛いこと、苦しいことが数え切れないほど染みこんでいる。見慣れているはずの一段高いところからの景色もやはり格別だった。

 「プロで半分は甲子園で試合しているわけだし、高校野球でも立っている。いろんな意味で自分が野球を続けていく中で一番立ったグラウンドなので」

 試合前には引退表明した横田とも会話を交わした。「この時期、人が辞めていくのは寂しいけど、まだ24歳。またいろんなことに挑戦していくという話をしていたので、自分も挑戦していこうかなと。そういう思いをもらった」。3位・広島には半歩接近。「自分たちができることは、残り4試合全部勝つこと。そこに向けて選手全員で頑張っていきたい」。縦じまのユニホームを脱ぐ、その日までは猛虎のために死力を尽くす。
(山添 晴治)

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2019年9月23日のニュース