カブス・ダル 12Kの快投も9回に力尽く…ファンのスタオベの中降板も「勝てないと意味がない」

[ 2019年9月23日 21:00 ]

ナ・リーグ   カブス2―3カージナルス ( 2019年9月23日    シカゴ )

完投目前で負け投手となったカブスのダルビッシュ(AP)
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 カブスのダルビッシュ有投手(33)が痛恨の一敗を悔やんだ。8回までソロ本塁打による1失点のみ、12三振を奪い2―1とリードしていたが、9回に力尽き、2本の長打を含む3安打で逆転負け。8回1/3を7回3失点、無四球12三振で8敗目(6勝)を喫し、チームは6連敗となりプレーオフ進出が大きく遠のいた。

 試合後のシャワーがこんなに遅いことは珍しい。一つは今季初めて9回まで投げたから。もう一つは降板後、珍しく感情を抑えきれなかったからだろう。ダルビッシュのロッカーのネームプレートはスパイクの泥で汚れ、プロテインやボトルがカーペットに散らばっていた。報道陣の前に立った時は幾分落ち着きを取り戻していたが、依然目は潤んでいた。

 降水確率100%、激しい雨が降り続いたリグリー・フィールド。だがダルビッシュはそんな中でも10種類の球種を操ってみせた。

 「ボールが濡れたり、ロージンが濡れたり、スパイクも凄く土が付いて大変だったけど、集中はできていましたし問題なかった」

 新たな武器も用意していた。90マイル(約145キロ)の速いチェンジアップ。初回ファウラーを、2回はカーペンターを空振り三振に取った。

 「17年くらいに左打者に投げていたハードチェンジアップ。打たれていない球だったけど、コントロールが良くなくて。この前、最近の自分だったら何でもできるから、あの球もいけるんじゃないかなとキャッチボールでやってみたら、凄く良かった」

 加えてリーグ最多の112盗塁のカージナルスの足封じも意識した。7回先頭のエドマンが出塁すると、ゴールドシュミット、オズナの打席で、再三けん制した。「セットを長く持ったりはしていました」と走者になかなかスタートを切らせなかった。

 雨の中で8回を投げきり、その時点で球数96球。今季ダルビッシュが9回のマウンドに立ったことはない。

 普段なら、9回はクローザーに任せるところだ。だが抑えのキンブレルは、3日前に延長10回に勝ち越し本塁打を被弾。前日も9回に同点と勝ち越しの本塁打を打たれていた。

 「今日はキンブレルは使う予定はなかったが、使えたとしてもユウの続投だった」とマドン監督。カブスは4試合連続1点差負けで、他の救援投手も疲弊していた。ダルビッシュに頼るしかなかった。

 9回も雨は降り続いていた。視界も悪い。98球目、先頭の代打J・マルティネスにカットボールを痛打された。守備固めに入っていた中堅のアルモラは背走し、グラブには当てたが、捕球できなかった。

 ダルビッシュは「今日はボールが見づらいし、足場も悪い。仕方がない」と振り返る。103球目、次打者ファウラーの犠飛で同点に追いつかれた。

 同点で仕切り直しの1死から、2番エドマンを右前打で出した。続くゴールドシュミットの打席で2球目に盗塁。「凄く足が速いし、頭もいい選手なので、ここというところで決められた」。そしてカウント2―2からの110球目、ゴールドシュミットに内角低めボール球になるスプリットを投じた。

 「ボールゾーンに投げればボールかファウルにしかならないと思ったので、自分としては意図した球ではあった」

 だが打球は三塁線の内側を転がった。勝ち越しの適時二塁打とされ、逆転を許して降板した。

 5月4日、前回カージナルスと本拠地で対戦した時、5四球の乱調で5回にカブスファンのブーイングを浴びて降板した。今回は9回途中無四球、レインコートに身を包んだカブスファンからスタンディングオベーションが注がれた。プレーオフ進出は非常に厳しくなったが、大事な試合でチームのために全力を出し切ったダルビッシュを称えた。

 「まあでも負けてますからね。みんな喜ばないでしょう。何と言えばいいか分からないけど、勝てないと意味がないと思います」

 3試合連続で12三振以上は、チームでも日本投手でも初めて。記録の残る1908年以降では史上11人目という快挙だった。勝ちたい気持ちが強かっただけに、いくら投球内容が良くても悔しさしかなかった。(奥田秀樹通信員)

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