阪神・近本お目覚め弾!23打席ぶり安打が豪快6号「気持ちだけでした」

[ 2019年6月19日 05:39 ]

交流戦   阪神3―5楽天 ( 2019年6月18日    倉敷 )

3回無死、右越えに勝ち越し本塁打を放つ近本  (撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 阪神・近本光司外野手(24)が18日の楽天戦で5試合23打席ぶり安打を豪快に飾った。同点の3回に一時勝ち越しの右越え6号ソロ。18試合89打席ぶりの本塁打で不振のトンネルを抜けた。社高の後輩で同じドラフト1位の楽天・辰己の前で先輩の貫禄を示し、今季3度目の4連敗に光をともした。

 近本はプロとして直面した最も長いトンネルをついに抜けた。倉敷の夜空に描いた力強い放物線は復調への号砲だ。1―1の3回先頭。3球で追い込まれてから3度のファウルを重ね、8球目に来た左腕塩見の内角スライダーを捉えて右翼席へ。一時勝ち越しを決めた6号は11日ソフトバンク戦の2打席目に放った中前打以来、実に5試合23打席ぶりの安打だった。

 「気持ちだけでした。チームに貢献できるようにと思っていた。結果的に打てたので良かったです」

 試合前のグラウンドでは辰己と再会した。2学年差はあっても親しい間柄。「センターに打ってきてくださいね」と言われ、「頑張るわ!」と返した。中堅を守る後輩のグラブが遠く届かない右翼席へ放り込み、5月26日DeNA戦以来、18試合89打席ぶりの本塁打で先輩の威厳を見せつけた。

 不振でも「1番・中堅」は49試合連続。待望の一撃は不動の位置へ送り出してくれた矢野監督にも届いた。

 「追い込まれていたけど、パンチ(力)があるところを見せてくれた。相手にとって嫌らしいというのが近本の持ち味だと思う。ホームランをもちろん打ってもらいたいけど、相手にとって嫌なのは出ることだから。そこも期待したい」

 交流戦は打率1割台(・172)に低迷。リードオフマンの役目を果たせない中、上昇への糸口をつかむために打撃練習では「タイミングの間を意識している」と試行錯誤を続けてきた。成果が形として表れ、一筋の光が見えた。

 久々の好感触にも、「個人プレーになったらダメ」と表情は緩まない。同点の7回2死二塁ではフルカウントからの7球目にハーマンのカーブにバットが空を切り、唇をかみしめた。「状況や場面に応じて自分のできるプレーをやっていければと思う」。本塁打以外は凡退。走者に立つ機会がなく、12試合にわたって盗塁がない。これもプロでは最長の停滞だ。本来の勇姿を取り戻すまで、もう少しだ。(長谷川 凡記)

○…近本(神)と辰己(楽)は兵庫・社高出身の外野手で、近本が2学年先輩。大学時代はともに関西学生リーグでプレーした。18年のドラフトでは大阪桐蔭・藤原の抽選に外れた阪神と楽天を含む4球団が外れ1位で辰己を指名し、楽天が交渉権を獲得。阪神は外れ外れ1位で近本を指名した。今春のオープン戦では3月8日に倉敷で対戦し、近本は「2番・中堅」でフル出場し3打数無安打。辰己は5回の代打から右翼の守備に就き、2打数無安打だった。

続きを表示

2019年6月19日のニュース