阪神・原口が手記、大腸がん乗り越え復活「いろんな人の励みになることが僕の使命」

[ 2019年6月5日 06:00 ]

交流戦   阪神11―3ロッテ ( 2019年6月4日    ZOZOマリン )

9回1死三塁、原口は適時二塁打を放ちガッツポーズ4(撮影・大森 寛明)
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 1月末に大腸がんの手術を受けた阪神・原口文仁捕手(27)が、4日のロッテ戦で1軍に復帰し昨年10月13日のシーズン最終戦以来、234日ぶりの出場を果たした。9回1死三塁から代打で左翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち二塁にへッドスライディング。大病を克服した男が劇的過ぎる帰還を果たし、スポニチ本紙に寄せた手記に思いをつづった。

 
 いま思い返せば、17年の6月ごろからずっと体に違和感がありました。どれだけ寝ても眠気が取れず、あくびが止まらない。変だな、と思いながらやっていました。18年のシーズン中も少し体がだるくて、オフに人間ドックを受けさせてもらうことに。異常が見つかり、年明けに内視鏡カメラの検査を受けるとすぐにがんが見つかりました。

 真っ先に、妻と娘の顔が頭に浮かびました。“娘が二十歳になる姿を見られないのかな”、“妻がおばあちゃんになっていく姿も見られないのかな”。その日の夜は1人だったので、寂しく、悲しい気持ちが強かったですね。年始で妻は地元にいたのですが、発覚した翌日に急きょ、帰ってきてくれました。1人の時間が少なかったので救いになりました。また、根拠の無い自信でしたが“絶対に大丈夫だ”と思ってネガティブな思考になることなく、前を向けるようになりました。

 手術までの期間、病院の先生に“練習してもいいですか?”と聞いて許可が出たので、手術の2日前まで変わらず練習していました。その頃、すごく良い感じで、自分の中で手応えのある練習ができていたので、手術が終わったらすぐに戻れるように思っていました。“2カ月くらいで戻ってやる”と本気で思っていましたよ。
 手術直後は、腹部は痛い、足は痛いわで、早く家に帰りたいという気持ちだけでした。でもすぐに、カレンダーを指さしながら“ゴールデンウイーク、こどもの日くらいには甲子園に戻れるかな?”なんて勝手に予定を立てていましたね。そうやって前向きになれたのは、妻はもちろん、妻の家族、自分の家族、病院の先生、看護師さん、ファンの方々の声。本当にたくさんの人に支えてもらったからです。感謝の気持ちでいっぱいです。

 ファームの試合に出させてもらうようになってから、ピッチャーの球を打つ、捕ることに関しては感覚的な部分なので、積み重ねていかないといけないことがありました。それでも徐々に良くなってきた今、1軍に上げていただいた。準備はできました。あとはもうやるだけだと思っています。

 自分にとっては今日がスタート。今日が開幕だと思っています。1軍に上がったからには戦力にならないと、またファームということもある。キャッチャーとして試合に出たいですし、大事なところで打ちたい。結果が全ての1軍で最後まで戦力になって、シーズンを終えられるようにしたいと思います。

 ファンの皆様には、足は遅いですけど(笑い)、元気にグラウンドを駆け回る姿を見てもらって、感じるモノがあれば周りの人に伝えてほしいです。また、野球を通じて、少しでもいろんな人の励みになることが、僕の使命だと思っています。これからが本当に楽しみです。(阪神タイガース捕手)

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