広澤克実氏回想 矢野が大豊先輩を怒鳴る姿、後輩には偉ぶらず

[ 2018年10月21日 10:30 ]

阪神・矢野新監督へエール(1)

03年、優勝パレードでファンに手を振る広澤(右)と矢野
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 阪神・矢野新監督を選手時代から知るスポニチ本紙評論家陣が素顔やエピソード、そしてエールを送ります。第1回は広澤克実氏です。

 1999年のオフに私は37歳でタイガースに移籍してきた。探り探りチームに溶け込もうとしていたのだけど、当時、一つ年下の大豊泰昭が在籍していて、けっこう自己主張が強くて、時には不満を爆発させることもあった。その大豊に対してチームメートで唯一もの申していたのがさらに年齢が5つも下の矢野だった。矢野と大豊は中日時代も同僚で、さらに複数トレードで一緒に阪神に移籍したという関係もあったのか、「そんなんアカンやろ!」とか「ちゃんとやって!」など平気でタメ口で怒鳴ってもしたし、なだめたりもしていた。矢野は先輩にもズケズケと言ってくるヤツなんだ…というのが私の第一印象だった。

 しかし、私をはじめ和田豊や八木裕らその他の先輩たちをきちんと立ててくれるし、後輩にも決して偉ぶることもなかった。2003年にリーグ優勝した瞬間に真っ先にマウンドへ走っていって大はしゃぎしたりとおちゃめな部分もあるし、オンでもオフでも真面目な部分と両極端を持ち合わせているように思う。

 今年9月、阪神2軍がウエスタンリーグ優勝を決めた後、矢野2軍監督をインタビューする機会があった。厳しく怖い監督なのかな…という先入観があったのだが、むしろ逆で、のびのびとさせていた。失敗を注意し、ミスを怒るのではなく、失敗をしたら選手本人になぜミスをしたのかを考えさせる監督だった。

 阪神が優勝するには大山、北條、陽川、中谷、高山、板山、江越らが中心選手にならないとありえない。投手なら何をおいても藤浪だ。捕手では梅野がもう一つ上のレベルになってほしい。彼らを育て上げることにタイガースの未来がかかっている。そういう意味では今年1年、2軍監督として見てきたのが大きい。矢野監督には伸び悩む彼らの殻を破ってあげることを期待し、またそうなることを確信している。

 ▽広澤氏と矢野監督 広澤氏は85年ヤクルト、矢野監督は91年中日でプロ入り。阪神では広澤氏が巨人から移籍した00年から現役引退の03年まで4年間チームメートだった。その後広澤氏は07、08年に阪神で打撃コーチを務め、矢野監督を指導している。

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