突破率91%!ギータ 日本S王手弾 ドカベン岩鬼ばり悪球打ち先制2ラン

[ 2018年10月21日 05:30 ]

パ・リーグCSファイナルS第4戦   ソフトバンク8―2西武 ( 2018年10月20日    メットライフD )

<西・ソ>初回、今井から左越え2ランを放つ柳田 (撮影・白鳥 佳樹) 
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 ソフトバンクは8―2で西武に快勝して2連勝。アドバンテージを含む通算成績を3勝2敗とし、2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。初回に柳田悠岐外野手(30)が今年のCS初アーチとなる左越え先制2ランを放ち、終始リードを保った。今シリーズは38得点となり、プレーオフ、CS史上最多得点を更新。柳田も打率・438と打線の中心で輝きを放っている。

 強じんな背筋で、逆方向へ飛ばした。初回2死一塁。4番・柳田が今井の外角高めのボール球を強振。高々と上がった打球は、左翼席に飛び込んだ。

 「リラックスして臨んだ。力を抜いて、かち上げるって感じ。いいスイングができたのでホームランになるかなと思った」

 今季のCS7試合目で初アーチ。規格外のパワーだけでなく、打撃への探究心が、大舞台での一発につながった。試合前の打撃練習を見た藤本打撃コーチは「軸足に体重が乗っていなくて良くなかった」。本人も納得していなかった。そこで「ちょっと打ち方を変えた。いろいろです」と、軸足となる左足に体重を乗せる形を意識して試合に臨んだ。

 シーズン中は投手によって右足の上げ幅を変えた。CS前には、スイングする際にグリップが頭の後ろに残る打ち方を模索していた。一年間のさまざまな試みが、自身の打撃を支える。この日は「脱力」と「かち上げる」イメージがはまった。

 昨年の今頃は右脇腹を痛め、CS出場は第5戦からのぶっつけ本番だった。今年はコンディションの不安なく臨めている。7回2死満塁の場面では一塁走者としてデスパイネの遊ゴロに全力疾走。二塁への送球よりも前にベースに滑り込み「三遊間に飛ぶイメージをしていた」と走塁面でも貢献した。

 メットライフドームでは今季打率・192と振るわず、本塁打はなかった。9月16日には練習中の打球を頭部に受け、6試合の離脱に追い込まれた。ファーストSで9打数1安打だった男が、鬼門といえる地でファイナルSは16打数7安打と調子を上げた。

 今シリーズ4試合で計38得点は、プレーオフ、CSでは08年西武の32得点を抜き、最多得点となった。2年連続の日本シリーズ進出まであと1勝。工藤監督は「自分たちの野球をやってものにするんだ、絶対に勝つんだという思いでやる」と手応えとともに、第5戦に目を向けた。 (川島 毅洋)

 ▼ソフトバンク・王貞治球団会長 柳田は(逆方向でも)右の打者より飛ぶからね。短期決戦は勢いが大事。明日、全力でね。

 《突破率91%》過去、プレーオフ、CSファイナルSで先に王手をかけた延べ33チームのうち、30チームがシリーズに進出。突破率は91%になる。今季のソフトバンクは公式戦2位。4勝先勝制のCSで2位以下のチームが先に王手をかけたのはセで12年中日(2位)、14年阪神(2位)、17年DeNA(3位)と3度あったが、パではソフトバンクが初めてだ。また、アドバンテージの勝敗を含み2勝2敗から先に王手をかけたケースでは、08年西武、11年中日、14年ソフトバンク、17年ソフトバンク、同年DeNAと5度は全て日本シリーズ進出を果たしている。

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