【検証由伸政権(1)】3年連続ドラフト上位が故障 由伸監督苦しめた編成部門の甘い調査

[ 2018年10月21日 09:40 ]

3年間V逸の「なぜ」

巨人の鍬原
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 4年連続でリーグ優勝を逃した巨人がシーズンを終えた。3年契約の高橋由伸監督(43)は今季限りで退任し、次期監督には原辰徳氏(60)の就任が確実視される。由伸巨人の3年間に迫り、その裏で起きていた出来事からV逸の理由を3回連載で探る。

 「巨人は大丈夫なのか?またか?」。昨年10月末のドラフト会議。ある球団の控室で巨人が話題にあがっていた。巨人が1位で交渉権を獲得した中大・鍬原は右肘を故障していた。開幕には絶対に間に合わない。心配する声が漏れていた。

 他球団の予感は的中した。複数の関係者によると、巨人は過去の故障歴はつかんでいたが、右肘の現在の状態を完全には把握し切れていなかったようだ。事実、当時の鹿取義隆GMはドラフト会議後のある日、スポニチ本紙の取材に「右肘?ないない。何も報告は来てないし、何も聞いてないよ」と答えている。

 1月10日の新人自主トレ初日。やはり鍬原は一部別メニューだった。視察後、普段は温厚な人柄の斎藤投手総合コーチが「(1軍)キャンプに間に合わない時点で開幕には間に合わない」と感情をあらわにした。無理もない。前年もドラフト1位の吉川尚が右肩に不安を抱え、同2位・畠はドラフト会議後に右肘の手術を受けていたからだ。両選手とも開幕に出遅れた。何年も情報戦に敗れていた。

 高橋監督の就任に合わせ、球団は3軍を設置。当時は戦力の過渡期だった。監督就任会見に同席していた当時の白石興二郎オーナーは「若い選手を鍛え、指導していくことが求められる」と語った。若い指揮官に期待したのは世代交代の推進。だが、優れた素材がなければ、軸となる選手の育成は不可能だ。

 毎年、12球団が平等に参加できるドラフト会議は、戦力強化を図る最高の舞台だが、15年のドラフト1位・桜井も未勝利。巨人は3年連続で本当の「即戦力」を獲れなかった。鍬原は今季、6試合登板で1勝2敗、防御率6・83に終わった。例えば、セのライバルであるDeNAの東は1年目の今季に11勝5敗、防御率2・45の好成績を収めた。高橋監督就任時の3年間、ドラフト会議は失敗続きだった感を否めない。

 FA、トレードも含め、球団側に求めていたバックアップを受けられなかった新人監督は苦悩の道を歩んだ。(特別取材班)

 《桜井1年目は開幕直後…》15年ドラフト1位の桜井は16年に開幕ローテーション入りを果たし、チーム5戦目の3月30日DeNA戦(横浜)で先発したが4回1/3を4失点で敗戦投手に。この登板で右肘に違和感を訴えて戦線を離脱し、以降は1軍登板を果たせずルーキーイヤーを終えた。

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