ルーキー小林が橙魂V打!守備、足も守備も光った

[ 2014年4月19日 05:30 ]

<巨・中>2回1死満塁、右前適時打を放つ巨人・小林

セ・リーグ 巨人5-3中日

(4月18日 東京D)
 大物ルーキーが「走攻守」に大活躍だ。巨人は18日、中日に5―3で快勝し、3連勝を飾った。先発マスクのドラフト1位・小林誠司捕手(24)が2回にプロ入り初打点となる先制打を放ち、打線に火をつけた。リード面では7回4安打2失点の先発・杉内俊哉投手(33)の今季初勝利に貢献。積極 的な走塁を試みるなど、オレンジ色の ユニホームを着用する「橙魂(とうこん)シリーズ」の今季初戦で輝いた。

 度胸を据えて振り抜いた。2回1死満塁。小林は岡田の初球、外角高め124キロシュートを叩いた。「抜けてくれ」と祈った打球は二塁手のグラブをかすめ右前へ。プロ初打点となる先制打に両拳を力強く握りしめた。

 「初球から思い切って振っていきました。なんとか早く1点が欲しかった。勝利につながって良かったです」

 2試合連続2本塁打の阿部に代わり、7試合ぶりの先発マスク。練習中に告げられ「凄く緊張した」と初々しく振り返ったが、第1打席でプロ初適時打。決勝点を叩き出し主将の穴を埋めた。

 自信を深めた打席がある。2月の宮崎キャンプ中でのシート打撃。内海から投手強襲安打を放った。打撃は「すべて課題」と不安を抱えてプロの門を叩いたが、4年連続2桁勝利のエースの球を芯に当てたことが「自信になった」。これが現在の積極的なスイングを支える。7試合出場で10打数5安打、打率・500と驚異的な数字を誇る。

 リード面でも大きな成長をみせた。大竹と組んだ6日の中日戦(ナゴヤドーム)では配球が偏り、緩急をうまく使えなかった。その後、試合の映像を何度も見て配球を分析。この日はその成果を生かし、杉内が5日の同カードで3安打された左打者・大島を抑えた。

 第1打席の3球目。プロ入り後の杉内が過去に10球前後しか投げたことのない内角へのスライダーを要求した。そして4球目は内角直球で一ゴロ。内角に強い残像を残し、2打席目は外角のボール球のスライダーで空振り三振。3打席目は再び内角へのスライダーで力ない右飛に仕留めた。「任せた」と託された杉内を頼もしくリードした。

 足でも魅せた。6回1死一、二塁。杉内のバントで二塁走者は三塁封殺。だが、三塁手が一塁へ悪送球し、一塁手が捕球して転倒した隙に一塁走者の小林は一気に三塁を陥れた。優れた観察力を発揮し、原監督は「そつのない。走攻守の面でね。彼にないのは経験。良い試合、肥やしになったと思う」と走攻守にわたる活躍を高く評価した。

 初めてオレンジ色のユニホームを着用し、昨年まで通算13勝4敗と高い勝率を誇った「橙魂シリーズ」の今季初戦を飾った。チームを今季2度目の3連勝に導き、お立ち台ではにかんだルーキーは「正直、僕でいいのかな?(3安打した)長野さんに申し訳ない」と謙遜しながらも、「向上心をもってやっていきたい」と力強かった。

 24歳の若武者は、チームに欠かせない戦力になった。

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2014年4月19日のニュース