開幕メジャー逃した日本人選手は今…松坂、川崎はアピール実った

[ 2014年4月19日 12:30 ]

サインをするヤンキース・加藤豪将(右)

 MLBの公式発表によると、今シーズン開幕ベンチ入りしたのは853選手(故障者リスト入りを含む)。日本人選手は上原浩治、田澤純一(ともにレッドソックス)、イチロー、黒田博樹、田中将大(ともにヤンキース)、青木宣親(ロイヤルズ)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、岩隈久志(マリナーズ)、藤川球児(カブス)の9人だった。

 残念ながら開幕メジャー入りを果たせなかった他の日本人プレーヤーは、現在どのように過ごしているのか。マイナースタートとなった日本人選手の“開幕”をまとめてみた。

【投手編】
◎松坂大輔
 招待選手としてメッツのキャンプに参加していた松坂。オープン戦最終登板では、先発して5回を5安打無失点、8三振を奪う好投をみせた。この好投で先発枠を勝ち取ったかのように見えたが、無念のマイナー落ち。先発枠を争っていた若手有望株のヘンリー・メヒアが右腕に打球を受け、故障者リストに入れるかどうか判断できず、開幕直前のとりあえずの処置として、松坂がメッツの3Aラスベガスに降格した。しかし、早くも16日にメジャー昇格。中継ぎでの起用がメインのようだが、先発のバックアップとしても期待されている。

◎和田毅
 今季はカブスに移籍するもオープン戦で結果を残せず、一度自由契約を経て、再びマイナー契約。開幕は3Aアイオワで迎え、先発投手としての調整を続けている。14日に所属するリーグの週間MVPに選ばれた。

◎建山義紀
 田中や黒田と同じ、ヤンキースでの開幕メジャー入りを狙っていた建山。招待選手としてメジャーのキャンプに参加し、オープン戦は7試合で合計8回、防御率1.13をマークした。数字だけ見れば好結果のようにみえるが、3月22日のオープン戦では9回に登板して被弾。ややアピール不足に終り、開幕は3Aスクラントンで迎えることになった。

◎渡辺俊介
 WBCなどで国際経験豊かなサブマリン・渡辺俊介は、MLBの厳しさを味わった。オープン戦3試合に登板、わずか3回のチャンスしか与えられず2安打2失点、防御率6.00でレッドソックスから解雇された。現役を続ける道を模索していた渡辺は、米国独立リーグのアトランティックリーグに所属するランカスターと契約し、チャンスをうかがっている。

 またナックルボーラーとしてメジャー復帰を狙った大家友和も、その夢は叶わず。MLBで成功する日本人投手は、ストレートとフォークなどの落ちる変化球のコンビネーションで勝負する、かつての野茂英雄(元ドジャースほか)や佐々木主浩(元マリナーズほか)のようなタイプの投手に限られるのか……。

【野手編】
◎川崎宗則
 昨年はブルージェイズに所属し、マイナーとの往復を繰り返しながらも、昨年は96試合に出場し、サヨナラ打を放つ活躍を見せた。今年はオープン戦で2割そこそこの低打率に苦しみ、マイナーで開幕を迎えることが決定。ブルージェイズ傘下の3Aバファローで、メジャー復帰を狙っていた。日本時間14日に、待望のメジャー昇格が決定。今季もムードメーカーとして、そして貴重なユーティリティープレーヤーとして、チームを鼓舞することになりそうだ。

◎田中賢介
 メジャー挑戦2年目の今季はレンジャーズとマイナー契約を結び、メジャーのキャンプに招待された。オープン戦では主に二塁手として起用されるも、セカンドベース上でランナーと交錯。前歯を折るアクシデントもあり、開幕ベンチ入りはならなかった。開幕は3Aラウンドロックで迎え、現在もメジャー昇格を目指してプレーしている。

◎中島裕之
 今季もアスレチックスのキャンプには招待されず、オープン戦も6試合で6打数2安打1打点と、日本在籍時にみせたパワフルな打撃力を発揮することはできなかった。開幕は3Aサクラメントで迎え、主に三塁手としてプレーしている。

 2001(平成13)年、イチローと新庄剛志が野手として初めて日本人メジャーリーガーとなってから14年。以来、多くの日本人野手がメジャーに挑戦した。しかし、二遊間は身体能力の高さで、一、三塁手はパワーで圧倒的な差を見せつけられる……、内野手の壁は厚く、レイズで活躍した岩村明憲やホワイトソックスでワールドチャンピオンに貢献した井口資仁のように活躍しても、数年ではね返されてしまう。

たしかに、イチローや青木のような1、2番を打つタイプの外野手が、日本人野手の成功するパターンなのかもしれないが、内野手でも長い期間活躍する日本人が誕生することを祈っている。その期待を担う、昨年のMLBドラフトでヤンキースから2巡目(全体66位)で指名された加藤豪将(かとう・ごうすけ)は、ルーキーリーグから1Aチャールストンに昇格したところだ。(『週刊野球太郎』編集部)

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