則本 やっぱり“エース”だプロ初完封 進むマー君の道

[ 2014年4月19日 05:30 ]

<楽・日>プロ初完封を挙げ、嶋(右)と笑顔で握手する則本

パ・リーグ 楽天12-0日本ハム

(4月18日 コボスタ宮城)
 無邪気な笑顔を浮かべ、右拳を握った。念願のプロ初完封。打線の援護に恵まれたとはいえ、無四球での達成に価値がある。チームの連敗も2でストップ。ヤンキースに移籍した田中に代わる「エース候補」の楽天・則本は「大量援護で楽に投げることができた。次は僅差の試合で達成したい」と笑った。

 序盤から直球で押した。3回までは1安打無失点。4回2死一、三塁も後続を断った。力みのないフォームでMAX148キロだったが、数字以上に球威も伸びもあった。警戒していた4番の中田に2死球を与えたものの、リズムを崩すことなく128球で6安打に抑えた。お立ち台での第一声こそ「疲れました」だったが、余裕を感じさせる内容だった。

 前々回の4日のソフトバンク戦(コボスタ宮城)は7回3失点で2勝目を挙げたが、4点の援護を受けながら一気に3失点。試合後のロッカーで星野監督から怒声を浴びた。「あんな点の取られ方しとったら誰もエースと呼んでくれんぞ!」。何も言えなかった。強い気持ちで臨んだ前回11日のロッテ戦(QVCマリン)は6回4失点で黒星。だが闘将から怒られなかった。逆に怖かった。だからどうしても結果を残したかった。

 常々、星野監督は則本について「俺はエースと呼ばない」と厳しい姿勢を示している。開幕投手に指名したが、3月下旬まで美馬、松井裕らと競わせた。それも田中の後継者として期待するからこそ。この日ばかりは「ゼロに抑えたんだから文句ない」と目を細めた。

 昨季24勝無敗だった田中と1月に合同自主トレも行った則本は言う。「僕も周りもエースとは思っていない。もっと自立して、試合をつくれるようになればエースと呼んでもらえるようになる」。目標は「絶対エース」と呼ばれた偉大な先輩だ。

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2014年4月19日のニュース