父・誠さんが語る銅メダリスト森重の「素顔」 スマホで変わった人生 強靭な足腰は乳牛の世話で培った

[ 2022年2月12日 19:30 ]

北京五輪第9日 ( 2022年2月12日 )

スピードスケート男子500メートルで銅メダルを獲得した森重航(共同)
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 北海道東部の別海町で酪農家の六男として生まれた銅メダリストの森重航(21=専大)は8人きょうだいの末っ子。幼少時代から大自然の中を走り回って育った。父・誠さん(68)が人生の岐路となった高校進学時の秘話や、がんを患い19年に他界した母・俊恵さん(享年57)との絆などを語った。

 人生は本当に何が起きるか分からない。去年(10月)の全日本距離別選手権で優勝した時は“うそでしょ”と驚いたけど、今回も“まさか”ですね。

 中学3年時、航は学費を免除される推薦で白樺学園高に進学が内定していました。正式決定まで公にしないように言われていたんだけど、航は友達に話してしまい、それが学校側に漏れて、内定は取り消し。推薦が来た翌日に進学に備えてスマホを買ったんだけど、うれしくていろいろな友達に電話して、つい推薦の話をしたみたい。破談になったのが中学3年の11月。山形中央高が興味を示してくれたので、12月初旬に2人で1泊2日で山形に行きました。練習に参加し、その流れで進学が決まったけど、あの時スマホを持たせなかったら人生どうなっていたんでしょうね。

 航は8人きょうだいの末っ子。兄が5人、姉が2人います。うちは酪農で乳牛250頭ぐらい飼ってるんだけど、5歳ぐらいから除糞や餌やりを手伝ってくれました。兄はラグビーや陸上、姉はバレーで皆、全国大会や全道大会に出ています。小さい頃から自然の中で走り回っていたのがよかったのかな。

 妻は19年7月にがんで亡くなりました。パンづくりが趣味で、小、中時代の大会ではメロンパンやクロワッサンをチームの皆に振る舞っていましたね。がんが最初に見つかったのは7年以上前。航が中学の頃は体調が良くない日も多かったけど、道外の大会にも応援に行っていました。航と妻はよくケンカしていたけど、ケンカするほど仲がいいという感じでしたね。

 航は21歳にして14人のおいめいがいます。スピードスケートはテレビ中継がほとんどないので、航が日本代表で活躍しても、おいめいはピンと来ていなかった。でも五輪の注目度は段違いなので、これでヒーローになれるかもしれませんね。

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