大西翔太〝即効〟ラウンド術⑤ ロブショットの基本

[ 2022年2月12日 12:00 ]

大西翔太〝即効〟ラウンド術⑤
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 フィル・ミケルソンのようにとは言わないけど、ラウンド中に格好良くボールを上げたいと思った人は少なくないはずです。第5回のテーマはボールを高く上げるアプローチ。バンカー越えでグリーンが下り傾斜、ピンが手前のエッジから近いときに有効です。大西翔太コーチが披露した確実性の高い打ち方に荒川侑奈選手も感心しきり。高さとスピンで止めるアプローチは、いろいろな局面で武器になります。ぜひマスターしましょう。 動画で見る・大西翔太〝即効〟ラウンド術 ロブショットの基本

 大西 ボールを高く上げるアプローチといえば、ロブショットになりますが、荒川さんはどのように打っていますか?

 荒川 クラブフェースを開いて、オープンスタンスに構えたら、手首のコックを使いながらクラブを上げます。後はフィニッシュまでしっかり振り抜くイメージです。

 大西 実際に打つシーンを見ると、非常にうまく打っていますし、ロブショットに対する苦手意識を感じませんが?

 荒川 たまにクラブヘッドがボールの下を抜けて、全く飛ばないときがあるので、そういう怖さは感じますね。

 大西 確かにロブショットはインパクトゾーンで手首を使う分、ボールが飛んだり、飛ばなかったりしますからね。万が一、手前のバンカーに入ったらボギーやダブルボギーもありますし、距離感を出すためにも、もっと安定して打ちたいところでしょう。

 荒川 何かいい方法はありますか?

 大西 お勧めの打ち方が一つあります。バックスイングで手首のコックを使いながらクラブを上げたら、あとは体の回転だけでクラブを下ろし、そのままフィニッシュまで振り抜く打ち方です。荒川さんはインパクトゾーンでコックを解いていましたが、手首の角度をキープしたままインパクトを迎えるイメージです。

 荒川 手首の余計な動作がないわけですね?

 大西 そうです。同時にフェースの開閉もありません。あるのは体の回転だけです。〝チェストオープン〟と言いますが、胸を目標に向けるつもりで、体を開く感じです。その結果、入射角が安定するので、ミスが少なく、ヘッドがボールの下を抜けるようなこともなくなります。試しに打ってみましょうか。

 荒川 アドレスではフェースを開きますか?

 大西 ボールが高く上がる打ち方なので、極端に開く必要はありません。気持ち開く程度で十分ですよ。

 荒川 あっ、なんか以前の打ち方よりも距離感をうまく出せました。

 大西 手首を使わない分、誤差が少なく、振り幅に応じて距離を出せるのがメリットですからね。しかも、スピンがかかるのでランを大きく計算しなくても大丈夫です。

 荒川 ドリルはあるんでしょうか?

 大西 まずはインパクトゾーンで手首を使わない感覚を養うことです。アドレスしたら、バックスイングを行わずにボールを打ってみましょう。手首を使わずに、体の回転だけでクラブを振ります。サンドウエッジでも5~10ヤードは前に飛んでいきますよ。体の回転でボールを運ぶイメージができたら、通常のスイングで打ってみましょう。手首のコックを使いながらクラブを上げたら、体を回すという動きを心がけます。うまくいかなかったら、ドリルに戻るという感じです。上級者だけでなく、アベレージゴルファーでも十分できる打ち方なので、トライしてみましょう。
 
 (取材協力・船橋カントリークラブ)


 ◆大西 翔太(おおにし・しょうた)1992年(平4)6月20日生まれ、千葉県出身の29歳。12歳でゴルフを始め茨城・水城高ゴルフ部で石井貢監督に師事。卒業後に日本プロゴルフ協会ティーチングプロA級資格を取得。女子プロの青木瀬令奈と契約を結び昨年のサントリー・レディースでは復活優勝に導く。昨年から渋沢莉絵留も指導。妹の葵も女子プロ。

 ◆荒川 侑奈(あらかわ・ゆな)1995年(平7)10月28日生まれ、千葉県出身の26歳。9歳でゴルフを始め関東中学選手権、千葉県ジュニアで優勝。聖徳大付女子高卒。1Wの平均飛距離は250ヤード。

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